しがない駐在員の日報(LA編)

駐在員とはなんたるかを綴ったドキュメンタリー的なブログです。

カジノの本当の楽しみ方

先日ボートメーカーのイベントに出席していた際の話です。

 

 

このボートメーカーというのが何を隠そう僕が2週間工場で働いていたあのボートメーカーなんですね。

 

 

そこのボートメーカーのイベントともなると僕もそれなりに張り切るわけで、イベント最終日にボートメーカーの社長とか販売店の人とかと遅くまで飲んでたんですよ。

 

 

そしたら社長がいうんですよね、「おし、野郎ども!このままカジノへ行くぞ!!」ってね。

 

 

アメリカでは州によってカジノが合法か、違法かそれぞれ決まっていて、カジノ自体はざっくりいうと二パターンあります。

 

 

一つはイタリア系マフィアがかつて牛耳っていたところ(ラスベガスとか)。もう一つは昔インディアンの土地を奪ったことに対して賠償をする目的でインディアンの人たちにカジノの利権を与えたことをルーツとするところ(この時いたオクラホマとか)があるらしいのですが、今回はこのインディアン系のカジノに行きました。なので完全合法です。一応ね。

 

 

 

僕はアメリカに来てから何度かカジノに足を運んだことがあるのですが、ラスベガスみたいなところとオクラホマみたいなところでは大きく違うところがあるんですね。

 

 

 

それはズバリ客層。

 

 

 

ラスベガスは言っても観光地。観光客が基本的には優雅にカジノを楽しんでいるわけですね。皆余裕があるわけですよ。

 

 

 

一方のオクラホマのような言い方はあまり良くはないですが、ちょっと辺鄙なところにあるカジノは結構地元民とかが通ってまして、まぁ、人によりけりではあるのですが、必死な人もいるわけです。僕も何度か泣き崩れる人とかを見ました。

 

 

今宵は一体誰が泣くことになるのか・・・。ドキドキしながらカジノフロアに入室しました。

 

 

 

入るや否や、まずはルーレットが僕らを出迎えます。

 

 

社長「マイケル。お前今いくらある?」

 

 

 

ポケットを確認した僕はすぐ返します。

 

 

 

僕「11ドルです!」

 

 

 

社長「馬鹿野郎!!!お前カジノをなめているのか!!」

 

 

 

いや、もう何って現金社会じゃないし・・・。とか思っていると、社長がポケットからさっと100ドル札を取り出し、ルーレットにバンと置きます。

 

 

 

社長「マイケル。黒か赤かどっちだ。お前が言ったほうに全額賭ける。外したらお前のところからは一切商品を買わん。さぁ、選べ。」

 

 

 

入室してわずか1分。早速僕が泣き崩れそうになった。

 

 

 

しかし、泣き崩れる暇もない。

 

 

早くどちらか選ばなければならない。

 

 

 

ぱっとルーレットの結果を示す電光掲示板を見る。直前10回回したうち、8回が赤、2回が黒に止まったのが分かる。そして確率というのは収束されていく・・・。

 

 

 

か細い糸のような理論。しかし、この理論に頼るほかなかった。

 

 

 

僕「BLACK!!!」

 

 

 

100ドル札は紙切れのようにぞんざいに黒のマスにおかれた。

 

 

 

文字通り手に汗握らせ、ディーラーがルーレットを回すのを見守った。

 

 

コロコロコロコロ・・・コトン。

 

 

 

黒のマスに玉は落ちた。

 

 

 

社長「…BLACK!!! やったぞ、マイケル!!」

 

 

 

神は僕に味方をした。なぜ初っ端からこんな精神をすり減らさなければならないのか・・・ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、社長が僕にこう告げる。

 

 

 

社長「マイケル、次は奇数と偶数どっちだ。外したらやはりお前のところからは商品を買わない。」

 

 

 

まるでジェットコースター。またしてもピンチである。

 

 

 

頼るものはやり電光掲示板しかないのか・・・。だが、今回は奇数と偶数がほぼ同じ割合となっている。

 

 

 

どうすればよいのか・・・。

 

 

 

そのとき、マイケルに電流が走る。

 クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

 

いや、待て・・・!落ち着け・・・!ある・・・!またしてもロジックが・・・!

 

 

 

わずかだが、偶数の方が確率が高いはず・・・。なぜならルーレットには「0」があるから・・・!

 

 

 

僕「Even!!!」

 

 

 

僕は自分の立てたロジックに従い、200ドルを偶数のマスに動かした。

 

 

 

ディーラーが静かにルーレットを回す。

 

 

 

人生で一番大きなギャンブル。僕はただただ見守った。

 

 

 

ディーラー「0!」

 

 

 

僕「よっしゃああああああああああああああ!!」

 

 

 

まさに狙い通り。

 

 

 

僕は笑顔で400ドルを受け取ろうとした。

 

 

 

が、400ドルどころか、賭けていた200ドルをディーラーが回収していた。

 

 

 

僕「え、なんで・・・?」

 

 

 

ディーラー「いや、0は偶数じゃないんで」

 

 

僕は激怒した。

 

 

 

僕「いや、なんでやねん!!!!0は偶数やろうが!!0は2で割り切れるやろうが!!!!2nのnに0代入してみろ、0やろうがい!!!!なんでそんな事もわからんねん!!!!!」

 

 

 

???「お客様。」

 

 

 

僕「なんや!?こっちは今話s・・・」

 

 

 

「他のお客様のご迷惑になりますので、その辺で。」

 

 

 

めっちゃ屈強な男だった。

 

 

 

 

僕「おうふ・・・」

 

 

 

僕は泣く泣く引き下がった。

 

 

 

これが僕のお金ならまだしも、大事な取引先の社長のお金。僕は恐る恐る社長の方に顔を向け、「す、すいませんでした!!」と頭を下げた。

 

 

 

が、この後の社長の反応が僕の予想するものとは全く違っていた。

 

 

 

社長「・・・いや!今のはナイスだマイケル。行けるかもしれない・・・!マイケル、次に行くぞ!!」

 

 

 

????

 

 

 

良く分からないまま、次のテーブルへ向かった。

 

 

 

次のテーブルはブラックジャック

 

 

客同士ではなく、客VS.ディーラーの構図になるので、お客さん同士で盛り上がれるゲームである。

 

 

 

僕らは一つ空いていたテーブルに腰を掛け、身内で固めた。

 

 

 

一体社長は何をしようとしているのか。

 

 

ディーラーがゲームの準備をしているとき、社長はディーラーにこう問いかけた。

 

 

社長「今このテーブルには何台のカメラがついている?」

 

 

なるほど、イカサマ防止で各テーブルにカメラがあり、常に監視しているらしい。

 

 

ディーラー「えー、このテーブルだと12台ですね。」

 

 

そ、そんなあるの?と僕が驚いていると、社長は僕にこう語りかけた。

 

 

社長「マイケル。さっきのルーレットで俺たちに多少注目が集まっている。これが何を意味するか分かるか?」

 

 

 

僕「要注意人物扱いされているとかですか?」

 

 

 

社長「そうだ。だから今からこのカジノにあるカメラを犯罪を犯すことなく、すべて俺たちに向けさせる!!!」

 

 

 

僕「なるほ・・・え?いや、社長・・・それに一体なんの意味が・・・」

 

 

 

社長「おし、お前ら行くぞ!!!!!」

 

 

 

うん、あれだな。酔っ払いなんだな。

 

 

 

ここから社長とカジノ側との激しい攻防が始まる。

 

 

 

1ターン目。それぞれ皆掛け金をテーブルに置き、1枚目のカードが配られる。

 

 

と、同時に絵札を配られた社長が動く。

 

 

社長「俺はここで10ドルレイズする!!!」

 

 

ディーラー「お客様!!このタイミングでベットを増やすことはできません!!」

 

 

社長「なに!?なんでだ!」

 

 

ディーラー「そういう、ルールですので!」

 

 

社長「お前・・・!名前はなんだ?」

 

 

アマンダ「アマンダです・・・」

 

 

社長「アマンダ!フロアマネージャーを呼んで来い!」

 

 

アマンダはフロアの奥のほうにいるフロアマネージャーらしき人に合図を送るとすぐさまその人がテーブルにやってくる。

 

 

フロアマネージャー「どうかされました?」

 

 

社長「アマンダがベットを増やしてくれないんだ!」

 

 

フロアマネージャー「いや、そういうルールですので・・・」

 

 

社長「何!?・・・そうか。分かった。お前に・・・お前の名前は何だ?」

 

 

クリス「クリスです。」

 

 

社長「クリス!クリスに免じてここは引き下がろう!行ってくれ」

 

 

クリス「はい。」

 

 

ゲーム再開。

 

 

このターン、ディーラーがバーストし、テーブルの皆が勝利する。

 

 

皆「WHOOOOOOOOOOOOOOOO!!」

 

 

ハイテンション。夜中の1時を過ぎているのに皆元気である。

 

 

社長「アマンダ、サンキュ」

 

 

そう言いながら社長は拳をちょこんと前に差し出した。あのスポーツ漫画とかである、あのチームメイト同士で拳を軽くコツンとするやつ。

 

 

ところがアマンダは困った顔でこちらを見てくる。

 

 

アマンダ「すみません、お客様に直接触ることは許されていないのです・・・。」

 

 

社長「何!?おい、クリス!クリスはどこだ!?」

 

 

すぐに駆け寄ってくるクリス。

 

 

クリス「はい、なんでしょう?」

 

 

社長「アマンダは俺の手を触れないのか?」

 

 

クリス「そうですね、そういう決まりですね。」

 

 

社長「俺はただただ、アマンダと喜びを分かち合いたいだけなんだ!!ダメなのか!?」

 

 

クリス「んーダメですね。すいません。」

 

 

社長「そうか・・・もう行っていいぞ。」

 

 

その後のゲームでも社長は、

 

 

 

社長「この50ドルは俺の分、そしてこっちの50ドルはクリスの分だ!クリスにはお世話になっているからな」

 

 

 

クリス「それはできません。」

 

 

 

社長「俺はカウンティング(ブラックジャックのイカサマ方法の一つ)してるぞ~、どうだクリス!」

 

 

 

クリス「もしされていても大負けしているので問題ございません。」

 

 

 

など、お金をすり減らしながらカジノ側と激しい攻防を繰り広げた。

 

 

 

僕はというと、お金(社長のお金)をちょこっとずつ増やしていた。

 

 

 

ギャンブル開始から2時間。ついに社長のお金が尽きる。

 

 

 

社長は僕のお金(本来社長の)を全額受け取り、全額ベットした。だいたい200ドル弱。

 

 

 

社長「これはアマンダの分、クリスの分、そして俺たちみんなの分だ!!!」

 

 

 

クリス「はい、あなた個人の分として受け付けますねー」

 

 

 

そして淡々とゲームは進み、淡々と社長に弱いカードがわたり、淡々と負けた。

 

 

 

社長「くぅうううう・・・クリス、最後に・・・最後に教えてくれ。今、このテーブルにカメラは何台向いている・・・?」

 

 

 

クリス「んー・・・15台ですね。」

 

 

 

社長「プラス3台か・・・まぁ、上々だな・・・おし、野郎ども帰るぞ!!」

 

 

 

こうしてギャンブルという名の熱を強く帯びた夜は終わりを告げた。

 

 

 

検証結果:お金を500ドルくらい使って、2時間やりたい放題やれば3台の防犯カメラが追加される。

 

 

 

真のお金持ちはこうやって楽しむらしい。

1年。

ハンターハンターが来週から再開するってんで、最後載ってたのいつだったっけって確認したんですよ。

 

 

確かアメリカ赴任してすぐぐらいだったような…ってね。考えて気づいたんですよ。

 

 

うわ、もう来てちょうど一年になるんかってことにね。

 

 

そして富樫先生がそんだけ休んでたんだってことにね。

 

 

でも確かにですよ。確かに振り返ってみると着実に時は過ぎ去っていて、僕がアメリカに来てからジャンプでもニセコイBLEACHこち亀、トリコと数々の人気作品が連載終了しているわけで、やっぱり短期間でこんだけ人気作品って連載終了にはできないですもんね。

 

 

とりあえず僕も打ち切りにだけはならないようにあと一年頑張りたいと思います。

 

 

VS. 日本経済新聞

たまには仕事の様子でもお伝えしようかと思いましてね。

 

 

一応僕はオクラホマへ行って船を造る以外にもきちんとそれなりにデスクワーク的なこともしてましてね。

 

 

自分のデスク的なものがあるんですよ。

 

 

日本の一般的なデスクよりも気持ち広めなデスクにザ・アメリカというようなあのデスクとデスクの間の仕切りみたいなやつもあるんですよ。

 

「海外 オフィス 仕切り」の画像検索結果

(イメージ図)

 

まぁ、やっぱりアメリカっていうとね。こう個人個人で動くみたいなイメージがあると思うんですけど、やっぱり働く環境もこんな感じで日本とはだいぶ違います。

 

自分の城をね、築けるんです。

 

で、僕は船を造るという仕事以外にも販促品を作るという仕事も実はしています。

 

 

この、美術の成績が4だった僕が、だ。(我が校は10段階評価でした)

 

 

この一年間、試行錯誤しつつも時には失敗し、でも時には革命的なものも生み出して会社に貢献してきたのですが、それはまた別のお話。

 

 

とりあえずその作ったものの山やらサンプル品やらが僕のデスクの周囲にはたくさんあり、僕のデスクを取り囲むように置かれています。どこか秘密基地めいたそんな素敵なデスクなのです。

 

 

今日、そんな秘密基地を少しばかり整理していたんですよ。段ボールを動かしたりして。

 

よっこらせって段ボールを持ち上げたらね、いたんですよ。

 

 

Gが。

 

 

 

いや、まずですよ。まずGってカリフォルニアにいるんだなって。

 

 

幼少期カリフォルニアで過ごしてた時には一度も見たことがなくて、(今思えば北の方に住んでいたので寒いのかもしれません)当時僕の中では空想上の生き物レベルだったんですけどね。ペガサスくらいの存在だったんですけどね。

 

 

いやー、いるんだなって。

 

 

ちなみに僕とGさんとの歩みは以下のような感じです。

 

幼少期(カリフォルニア):Gとはなんなのか?Gそのものの存在を疑っている。

 

小学校高学年(ここから日本):当時住んでいたアパートで初遭遇。めっちゃ飛ぶタイプ。以降苦手意識が明確に芽生える。

 

中学校ー高校:一夏に一匹程度の割合で遭遇。お手洗いでの遭遇率高し。まだ殺すことができない。

 

大学:一夏に2匹程度の割合で遭遇。初犯はこの頃から。当時よく使用していた凶器は古い週刊少年ジャンプ

 

社会人(兵庫):築60年超、窓はまともにしまらない、ドアには大きな隙間のある超絶古い団地に住まわされていたこの時はもはや大勢のGとテラスハウス状態。何匹殺害したか分からない。また、皮肉なことにこの頃から漫画テラフォーマーズが人気を博す。

 

社会人(本社):カニは出るわ、カエルは出るわというこれまたとんでもない寮で生活するも、不思議とGとの遭遇は二年間で一度もなし。

 

 

以上のような状況でして、実に3年ぶりに相対したわけです。

 

 

悲鳴を出すかと思いました。

 

 

ところがね、皮肉なことに仕切りのせいで、もうなんというか孤独な戦いなわけです。他のデスクから様子も見れないですしね。

 

 

もう、自分のデスクを囲う城と思っていたものが実はコロッセオだったんです。

 

 

僕は早速武器になりそうなものを探しました。

 

 

注文書、販促品、ペン。

 

 

どれも絶妙に武器にならない。

 

 

しかしもたもたしているとGは逃げてしまう。

 

 

えーーーい、もうこれだ!

 

 

 

僕は瞬時にそのへんにあった日本経済新聞を筒状に丸めながら右手に収め、得物を作り、Gにめがけて一心不乱に振り下ろした。

 

 

「頻尿に効く薬の宣伝」!

 

「いろんな会社の人事異動情報」!

 

「会計で差がつくうんぬんかんぬんの宣伝」!

 

私の履歴書」!

 

 

数回振り下ろしたあと、恐る恐るGさんの様子をうかがってみると、もう動けなくなっていました。勝利です。

 

 

そんなわけで日本経済新聞という有益な情報媒体のおかげでこんな非力な僕でもGに打ち勝つことが出来ました。

 

 

ありがとう、日本経済新聞

 

 

ちなみに、この新聞は駐在員全員に回覧で回ってくるもので、まだまだ回覧される予定のものを思わず使用しました。

 

 

今もわが社では日本経済新聞が駐在員の間でひっきりなしに行き来しているが、5月29日付のものを見た人はいないという。。。

 

6年目。

今日が社会人6年目になって初仕事なわけですけどね。

 

 

早い。早すぎる。

 

 

ついこの間まで1年目だと思っていたのに。

 

 

なにこれ?3年目、4年目とかあった?実は飛び級してたりしない?

 

 

なんでしょうね、なんか早すぎるって今日考えてたらちょっと気持ち悪くなりましたもんね。

 

 

アメリカなのに、今日お昼ピザじゃなくてサラダで済ましましたもんね。アメリカなのに。

 

 

え、本当に6年目?大学にいたのが5年以上前?本当に?

 

 

でもね、確かにですよ。確かに大学の同級生なんて誰ひとりとして覚えてない。

 

 

確かにそれだけ時間が経っているっぽいんですよ、恐ろしいことに。

 

 

でもね、恐ろしいことはそれだけじゃないんです。

 

 

1年目の今頃何してたかなーってふと考えるんですけどね。多分ですけどモンスターハンター4やってたんですよ。わーってね。子供のように。

 

 

じゃあ6年目の今何してるかっていうとね。モンスターハンターダブルクロスですわ。

 

 

まるで成長していない。

 

 

モンスターハンターは新システムや新武器、新モンスターを次々と更新しているのに。

 

 

モンスターハンターだけ僕を置いて先々行くんですよ。先々行った結果、周回遅れの僕と毎回出会うみたいな。

 

 

いいのかな、これで・・・ってね。

 

 

こう、社会人6年目ってこんな感じなの?って。

 

 

もっとモンハンのエリアルスタイルみたいに縦横無尽に社会というフィールドを駆け回ってるもんじゃないの?みたいな。

 

 

もっとモンハンのブレイヴスタイルみたいにがんがん攻めるべきじゃないの?みたいな。

 

 

もっとモンハンのレンキンスタイルみたいに周りに色々貢献していく立場じゃないの?みたいな。

 

 

みたいなね。

 

 

なので今年は目標をきちんと立てて社会人生活6年目頑張りたいと思います。

 

 

今までの内容から総合的に判断して、「1年で10キロ痩せる」を目標に頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。

 

 

マネージャーに求められるもの

突然ですけど、僕って実はアメリカではマネージャーって役職なんですよ。

 

 

マネージャーっていうのは日本で言うところのどの役職かっていうと、これは会社によっては課長であったり、部長であったりとバラバラなんですけど、うちの会社で言えば課長に恐らく相当します。

 

 

まぁ、皆さん薄々感づいているのでは無いかとは思うんですけどね。僕自身まだまだ課長の器ではないと思っています。

 

 

器で例えるなら、サラリーマンがふと「定年したら土いじりでもして、のんびり暮らしてぇなぁ…」って呟いたこのセリフ、それが僕です。まだまだ器を作り始めるのも先。そもそも本当に作るのか?それすら分からない。まぁ、そんな状況です。

 

 

実力が役職に追いついていない。いうなれば「こども店長」みたいな。そういう存在なんです。

 

 

なんでね、本当はこう色々とアメリカ人に対して指示とかしないといけない立場なのかもしれないですけど、まぁ、そんな偉そうなことはできない。相手もみんないい歳で、だいたい40-60くらい。軽く二回り以上違う訳です。キャリアが違う訳ですよ。

 

 

想像してみてください。加藤清史郎が木村拓哉に演技でダメ出しできるでしょうか?いや、できない(反語)

 

 

まず間違いなく偉そうにすると嫌われますよね。結果仕事全然うまくいかないですよね。でも時にガツンと言わないといけない。こうだよーって。

 

 

で、どうしようと悩んだ挙句、取ったのがコナン君方式。

 

 

「あれれー?おっかしいぞー?」ってね。おっちゃん気づけ…!!みたいな。

 

 

でもね、コナン君ならいいです。コナン君は常に的を得ているのでね。

 

 

僕なんて少年探偵団で言うところの元太なんで。最近リアルにうな重食べたいなって思ってるんで。

 

 

まぁ、事件が結果迷宮入りなんてザラですよ。

 

 

じゃあなんで僕みたいなヤツが課長クラスの役職につけるのか。

 

 

これはずばりVISAと関係しています。

 

 

アメリカで駐在するにあたって、就労VISAなるものが必要になります。

 

 

まぁ、就労VISAもいろいろあるみたいなんですけど、一般的な企業でアメリカに駐在する場合、「この人はこういう専門的なスキルを持っていて、アメリカの子会社にはそういったノウハウを持っている人がいない為、アメリカで働かせる必要があります」と申請するんですね。

 

 

 

要はこの人じゃなきゃダメなんです、みたいな事を言ってVISAを発行してもらうんです。

 

 

 

なので、必然的に役職が高くなっていき、結果として若い人でも高い地位に就くことが多いのです。

 

 

 

でもちょっと待ってください。あれれー?おっかしいぞー?

 

 

 

 

そう、思い出してください。

 

 

 

 

僕ってVISA発行してないんですよね。アメリカ人だから。

 

 

 

 

なので、当然高い役職に就く必要性もないのです。身分相応の「役職なし」でもいいんですよね。

 

 

 

あれれー?おっかしいぞー?と。悶々としてました。

 

 

でもそんな謎をずっと放置してたのです。元太だから。

 

 

まぁ、別になんでもいいかって。

 

 

だから悶々としてたのは最初の3時間くらいであとはずっと悶々としてませんでした。

 

 

 

 

そんなUn-Monmonとした日々を過ごす中、先週マネージャー職以上の人たち対象のハラスメント講習なるものを受けました。

 

 

 

カリフォルニアでは法律で2年に一回弁護士によるハラスメント講習なるものを受ける事を義務付けられており、やれこれを言うとアウト、やれあれを言うとアウトなど色々と教えてもらいました。

 

 

 

 

まぁ、結論から言うと「答えは沈黙」って言うね。もう何喋っても訴えようと思えば訴えれるとんでもない国なんだな、ここはって感じでした。

 

 

 

 

で、そんな弁護士の先生のお話で終業時間に関するお話がありました。

 

 

これも結構厳しくて、まぁ、残業したら残業代を払わなければならないのは勿論、お昼休憩も必ず決まった時間取らなければならなかったり、自宅にいるのに仕事のメールを送るのもアウト。出張中は厳しく実際の就労時間を計算してレポートを提出する必要があり、州によっては連勤日数の上限が有ったりと色々あるみたいなんです。

 

 

 

 

ほーん、結構厳しいなーと思いながら聞いてたんですよ。

 

 

 

 

そしたら弁護士の先生がこう言うんです。

 

 

 

 

弁護士「しかし、カリフォルニアは一つ特徴的な法律があって、この就業時間に関する規則。マネージャー以上、つまり管理職には一切適用されません。」

 

 

 

 

僕「!?」

 

 

 

 

 

弁護士「皆さんの場合は残業代の支払もありませんし、自宅に居ても仕事のメールをガンガン受け取って頂いて問題ありません。終業時間の規制も一切なく、極論365日24時間働き続ける事が可能です。過労死ライン等が存在する日本はとっても優しい国ですネ^^」

 

 

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アハ体験ですよね。色々と合点がいく。あー、だから僕ってマネージャーなんだな、って。

 

 

 

 

 

 

When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.

訳:「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」

 

                           ―シャーロック ホームズ―

 

VS. SUPER MODEL

近頃何かとコストカット、コストカットと言いますけどね。

 

やれエアコンの温度を28度にしろやらね、やれカラーコピー禁止にしろやらね。

 

言いますよね?

 

ぬるい。

 

 

もうね、ぬるい。

 

 

その程度のコストカットなんぞ生ぬるい。

 

 

え、うちの会社ですか?

 

 

うちの会社は、製品カタログを作るにあたってモデル代をけちる為に僕をモデルとして登用するという恐ろしい判断を下すくらい厳しい。

 

 

というわけで今回はモデルデビューを果たした時のお話です。

 

 

 

2月某日。

 

 

午前3時起床。

 

 

モデルの朝は早い。

 

 

っていうか早すぎる。

 

 

身支度をすぐに済ませ、すぐに港へと向かった。真っ暗闇の中港へ向かう姿はモデルというよりはエスポワール号へ向かうカイジに近かったと思う。

 

 

港へ着くと撮影スタッフの一部がすでに待機していた。

 

 

撮影するボートを確認し、乗り込む。

 

 

乗り込むや否や、スタッフからあるものを手渡される。

 

 

そう、洗剤である。

 

 

今回モデルとして参加する僕であったが、同時に雑用、清掃も担当していた。

 

 

ユーティリティープレーヤー。

 

 

僕の事をそう呼ぶ人は残念ながらいない。

 

 

せっせと作業を済ませ、出航時間の5時となった。

 

 

が、出発しない。

 

 

一体何待ちなのか。

 

 

スタッフに聞いてみた。

 

 

スタッフ「ああ、プロのモデル待ちだよ」

 

 

マジでか。普通にプロ呼んでるのか。

 

 

てっきり今回はアマチュアしかいないものだと思っていたところにまさかのプロ参入。

 

 

少し度肝を抜かれたと同時に怒りがふつふつと湧き上がる。

 

 

いや、はよ来いよ?

 

 

遅れる事30分。モデル(プロ)到着。

 

 

僕「おはようございます!本日は宜しくお願いいたします!」

 

 

相手がモデルのプロならこちらは営業のプロ。怒りを微塵も見せずしっかりとあいさつする。

 

 

モデル「・・・。」

 

 

まさかの無視。

 

 

そして悪びれる様子も一切なし。

 

 

険悪な状態のまま船を出発させた。

 

 

移動すること40分。あたりは一面海のところまでやってきた。ここからいよいよ撮影がスタートする。

 

 

今回はやや大きめのフィッシング艇の撮影で、「運転手のアメリカ人おじいちゃん(撮影スタッフ)、南米系のセクシーなお姉ちゃん(プロのモデル)、そして謎の怪しいアジア人の兄ちゃん(僕)が皆楽しそうにスピードを出しながら走行している」というシーンをヘリからの空撮でダイナミックな動画と写真を撮る。

 

 

いや、もうね。何そのシーン。

 

 

確かにアメリカはやれ人種のるつぼやら人種のサラダボウルやら言いますけどね。異物を混ぜすぎ。絶対家族じゃないし、じゃあ友達かっていうと年齢層全員バラバラ。かなり無理がある設定。

 

 

まぁ、でも我々がメインではないんでね。いいんですよ、これで。

 

 

そんなこんなでヘリも準備ができ撮影スタート。

 

 

皆まずそれぞれの定位置へ向かった。運転手は運転席へ。モデルは運転席の左横へ。そして僕は右横へ行き、そこで立ってスタンバイした。

 

 

撮影中は基本的に座った状態ではなく、立った状態で行う。

 

 

それぞれがスタンバイできたところでヘリから無線で連絡が来る。

 

ヘリの人「準備はオッケーか」

 

運転手「いつでもオッケーだ」

 

 ヘリの人「オッケー・・・レディ・・・アクション!!」

 

運転手「・・・よし、飛ばすぞ!振り落とされないようにな・・・!」

 

ブオオオオオォン!!調子よく回るエンジン。時速40キロ、60キロ、80キロ。スピードはどんどん加速していく。

 

 

 ここでね、ちょっとご存じでない人のためにね。一個解説。

 

船にシートベルトはない。

 

 

僕は普通に振り落とされそうになっていた。

 

 

僕「い、いかん・・・!三戦の構え!!!」 

 

 ちょっとご存じでない人のためにね。解説。

 

三戦の構えとは古くからある空手の型の一つで、船の上や足場の悪いところでの戦闘でも戦えるように編み出された型で、揺れにめっぽう強くなる。刃牙愚地独歩も使用していた由緒ある型である。

 

 

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愚地独歩の三戦の構え) 

 

 僕も「呼ッ」つってね、耐えてたんですよ。

 

そしたら無線で言われますわな。

 

ヘリの人「カーット!!」

 

ヘリの人「右側の人、へんな立ち方しないでください。」

 

まぁ、そうなりますわな。

 

撮影再開。

 

やはりフルスピードで船は走る。

 

どうしても耐えられない。僕は必死にシートにしがみつきなら耐えていた。

 

すると無情にもまた無線が鳴る。

 

ヘリの人「カーット!!」

 

ヘリの人「右側の人。笑顔じゃないですよ。笑ってください。」

 

いや、もうね。あんなきつい状態で笑えるの弱虫ペダルの小野田君ぐらいだと思うんですよ。どうしたってひきつってしまう。僕は残念ながら山王なんて異名は持っていない。とてもあんな状態では笑えない。

 

しかし、撮影はそのまま再開。

 

やはり当然のようにフルスピード。

 

僕はやはりシートにしがみつきながら、ひきつった笑顔で耐えていた。

 

しかし、ここで疑問が浮かんだ。

 

いや、あのモデルはどうやねん、と。

 

あんなプロ根性のない小娘がね、こんなハードな撮影をこなしているはずがない。

 

僕はひきつった笑顔のままふと左の方へと目をやった。

 

そこには凛とした姿勢で立っている女性がいた。

 

バ、バカな!!右手は自然とシートに添えてあり、必要以上に力を入れていない。当然三戦の構えもとっていない。いたって自然な立ち方。

 

表情はというともうそこはプロ。もう山王すぐそこにいましたわ。

 

しかも使っていない左手はなんかこうかっこよく髪をかきあげていたり、遠くの方を指さし、「あ、見て!あそこクジラが泳いでいるわ!」みたいなポージングを織り交ぜていく。

 

もうね、それでいったら僕はもう「あ、クジラ!」っていうのをこの20分ほどずっと無視してたわけですよ。かたやクルージングを楽しんでいる人、かたや必死に拷問に耐えている人みたいな。そんないびつな図になってたわけです。

 

そんな感じでスーパーモデルとの差を見せつけられ撮影は終了。

 

撮影スタッフやモデルさんに謝りつつ、僕のモデルデビューは幕を閉じた。

 

とりあえず写真等はもらっていないのですが、皆さんこれから船とかエンジンのカタログの写真を見るとき、足が八の字になっている人を探してください。

 

それ僕なんで。

 

 

 

 

 

 

 

 

汗と涙とファイバーグラスの工場編ファイナル

7日目:

 

 

 

重い腰を上げて今日も早朝から出勤。三日ぶりの工場の臭いはやはり臭かった。

 

 

 

 

僕「おはようございます。今日はどちらへ行けば?」

 

 

 

 

人事「今日、明日はアセンブリーに行ってもらいます。」

 

 

 

アセンブリーとは組み立て工程のこと。エンジンを取り付けたり、電子機器の取り付け、その他シートやハンドル、細かいクローム部品などとりあず付けれるもん全部つけていく。ここの工場ではアセンブリーも4つに分かれていて、今日に二つ、明日に二つ回るということらしい。

 

 

 

とりあえず一つ目の工程に向かう。

 

 

 

 

 

僕「マイケルです、よろしくお願いいたします。」

 

 

 

 

マイケル「僕もマイケルです、よろしくお願いします。」

 

 

 

 

ついに名前かぶりきてしまったーーーーー!ややこしい!

 

 

 

 

ただこのマイケル、僕とは容姿が当然異なっていて、例えるならばハリーポッターを細長く190センチくらいに成長させて、少し筋肉をつけ、ひげもじゃにさせたような見た目をしている。

 

 

 

うん、もはやハリーポッターとは別人である。

 

 

 

 

このハリー(改)と作業を進めていく。

 

 

 

 

ここでは船の外周に細かい部品を取り付けていくのと、コンソールボックスに穴を開けていくという作業をする。

 

 

 

 

 

 

生粋のドリラーの僕は当然穴あけを担当する。

 

 

 

 

なぜコンソールボックスに穴を開けていくかというと、後にこの穴に速度計や燃料計、ハンドルやシフトレバーを取り付けるからである。

 

 

 

 

このあたりになってくると、お客様の目に触れる部分が大半になってくるので失敗は許されなくなってくる。

 

 

 

僕が今まで開けてきたところは例えばタンクの穴であったり、ホースの穴など、修理とかで船をバラした時などよっぽどのことがない限り人の目に触れられないところで、そういうところは普段お客様も目にしない。ある程度はズレなどが容認される箇所なのだ。

 

 

 

 

そう、なのでここでは失敗は絶対に許されN…

 

 

 

 

チュイーーーーーーーーーーン、ガガガガガ…!

 

 

 

 

 

あ…。

 

 

 

 

 

 

数々の穴を開けてきた僕にはわかる。

 

 

 

 

これはね、全然違うところに傷がつきましたね、はい。

 

 

 

 

 

とんでもない量の冷汗が全身を伝う。

 

 

 

 

こんな時に魔法があればちょちょいのちょいなんですけどね、生憎と僕は生粋のマグル。

 

 

 

 

 

もう完全にお手上げである。

 

 

 

 

 

 

僕はハリー(改)に助けを求めた。

 

 

 

 

ハリー(改)「なるほど・・・。ちょっと実際に速度計をはめ込んでみよう。」

 

 

 

 

 

ハリー(改)は静かに速度計を手に取り、傷近くの穴にはめ込んだ。

 

 

 

 

ハリー(改)「…うん!ぎりぎり隠れるね!大丈夫だ」

 

 

 

 

 

グリフィンドオオオォォーーーール!!!!

 

 

 

 

どうやら、こういった計器類などは取り付け時に穴をふさぐためにある程度のマージンをとっていて、多少のズレは修正できるようになっているようだ。

 

 

 

 

 

ハリー(改)のお蔭で首の皮一枚繋がった。

 

 

 

 

 

その後は気を付けながら穴を開けていき、なんとかこの工程は無事に終了。昼休憩に入る。

 

 

 

 

 

 

ロビン「よぉ、マイケル。お前は今どこの工程にいるんだァ?」

 

 

 

 

僕「今はアセンブリーにいるよ」

 

 

 

 

 

ロビン「ア、アセンブリー!?あそこはエリート達が集う工程。俺たち有象無象と違い、スペシャリスト達が作業をしている・・・。お前もそこの仲間入りと言う訳か。マイケル!お前がどこまで上り詰めるのか…楽しみになってきたぜ。」

 

 

 

 

僕「おう!!(まぁ、ここでずっと働かないけどな)」

 

 

 

 

 

午後からは次の工程へ移動する。

 

 

 

ここでは速度計や燃料計などの電装機器の取り付けを行う。

 

 

 

 

作業場へ行くとなるほど確かにここの作業員の者と思われる何かの資格の認定証がいくつか飾ってある。あながちロビンの言ったことも間違いではなさそうだ。

 

 

 

 

 

さっそくチームリーダーに挨拶をしに行く。

 

 

 

 

僕「マイケルです、よろしくお願いいたします。」

 

 

 

 

チームリーダー「よろしく。ここでは二人の作業員の仕事を見ててもらう。実際の作業は資格がいるからな。おい、チャド!アントニー!来てくれ!」

 

 

 

 

 

 

え、

 

 

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 チャドと

 

 

  

 

 

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アントニーだって!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは特定の資格を有していないと作業できないようなので、主に作業を観察しながら分からないことがあれば質問していく。

 

 

 

チャドは電装関係、アントニーはエンジン回りの作業を行う。

 

 

 

しばらく質問しながら作業をしていくうちに雑談も交じってくる。

 

 

 

そんな中、チャドからこんな質問を受けた。

 

 

 

 

 

チャド「マイケル、お前KANJIは分かるか?もし、分かるんだったら俺の腕にあるタトゥーがなんて書いてあるのか教えてほしいんだ!掘ったときはウォーリアーみたいな意味合いだと説明を受けたんだけど・・・こいつだ。」

 

 

 

 

 

滝  祥   

 

 

 

 

 

 

まぁ、嫌な予感はしてましたよね。最悪の最悪「戦」とか「武」とかが入ってたらもう超甘々判定でウォーリアー認定しようと思ってたんですよ。最悪の最悪の最悪、もう多少のミスで「士」じゃなくて「土」でもまぁ、オッケーかなと。

 

 

 

 

滝  祥

 

 

 

 

たった2文字の漢字が無言のプレッシャーをかけてくる。なんというか、もはや「戦士に言葉は要らない、その態度で己を示せ」と言っているよう。

 

 

 

 

もうでもね、違うんですよね。例えば「戦士」が格闘タイプだとしたら明らかに「滝  祥」は水タイプですもんね。

 

 

 

 

カイリキーとゼニガメくらい違う訳ですよ。

 

 

 

 

僕はチャドに言った。「滝」はあの流れる滝であること。そして「祥」に至ってはもう意味も分からない、と。

 

 

 

 

チャドの眼からみるみると生気が消えていくのが分かった。

 

 

 

 

もやっとしたまま、その日の作業は終了した。

 

 

 

 

8日目、9日目は特にこれといったことはなく、同じようにアセンブリーの作業の見学に勤しむ。もやっとした感情を抱きながら。

 

 

 

 

10日目:

 

 

 

ボート工場も残り二日。佳境である。

 

 

 

午前中はボートの出荷前の清掃作業を行うことに。

 

 

 

ゴーストバスターのような重装備をしているおばちゃんの下で雑巾がけ等をこなしていく。

 

 

 

意外と最終工程でもファイバーグラスのカスやらなんやらが残っている。これらをきちんと手作業で清掃して初めてすべての工程が完了する。

 

 

 

自分も営業時代雑草抜きからキャリアをスタートさせたと言っても過言ではない。自然と力が入る。

 

 

 

しばらく下っ端根性を見せていると、社長が声をかけてくる。

 

 

 

社長「マイケル!休憩室に来てちょっと手伝いな!」

 

 

マイケル「はい!!!!!!」

 

 

下っ端の僕は元気いっぱいに返事をする。

 

 

 

マイケル「なんでしょう?」

 

 

社長「今日はあんたの送別会も兼ねたパーティだ。大量にピザを注文した。みんなに配るから手伝いな!」

 

 

 

マイケル「了解しました。何人前頼んだのですか?」

 

 

 

社長「XLサイズを150枚頼んだ。」

 

 

 

マイケル「え!?」

 

 

と、驚くと同時に宅配バイクではなく、クロネコヤマトクール宅急便のトラックと同サイズのトラックが休憩室前の空き地に入ってくるのが見えた。

 

 

 

中身は勿論ピザである。

 

 

次々と運ばれてくるピザ。

 

 

もうなんというか匂いとかがエグイ。が、休む間もなくセッティングを行っていく。

 

 

 

社長「よし、マイケル。皆列を作ってピザを受け取りに来るから配っていってやってくれ。配り終わったら私から簡単な挨拶をする。その後お前が挨拶をするんだ」

 

 

マイケル「了解です。なんか考えておきます。」

 

 

そうこうしているとお昼休憩の時間となった。次々と入ってくる屈強なワーカーたちにピザを配る。

 

 

配り終えた後、社長がにらみを利かせていたからか皆おとなしく席に座り、社長が話すのを待つ。

 

 

全員座り終えたのを確認し、社長が話し始める。

 

 

社長「皆!お疲れさまだ。皆知っての通り今日はマイケルの出社最終日だ。マイケルが皆に感謝の気持ちを示したいという事でこれだけのピザを用意してくれた。マイケルのおごりだから皆礼を言うように!また、これからマイケルのスピーチがあるが、最後にマイケルから最も頑張っていた従業員、MVPを発表してもらう。それではマイケルどうぞ!」

 

 

 

あのー…わずか1分くらいに新情報を盛り込みすぎじゃないですかね??

 

 

 

いや、まず今日最終出社日なの!?あ、明日は!?

 

 

 

あとピザ!!これ何、僕のおごりなの!?

 

 

 

あとMVPって何!?え、なにを基準に選ぶの!?

 

 

 

 

 

マイケル「えー、皆さま短い間でしたがありがとうございました。今回の経験は私にとって…」

 

 

 

とりあえずすべての疑問を飲み込み話し始めることにした。

 

 

マイケル「…であるからして~…(とりあえず最終出社日かどうかはあとで確認しよう。この際どっちでもいいや。ピザはたぶん会社に言えば後で払ってくれる…よなー…?問題はMVPかー…うーん…どうしたものか…)」

 

 

 

頭をフル回転しながらっぽいことをひたすら話す。

 

 

マイケル「では、最後にMVPを発表します。MVPは…」

 

 

人事のおばちゃん、ジョッシュ、ロビン、シャワーの事を教えてくれたじいさん、ジョジョ、サンディングのリーダー、スティーブ、ケビン、ハリー(改)、チャド、アントニー、ゴーストバスターのおばちゃん、その他工場で働いているスタッフたち。お世話になった人達の顔が次々と浮かんでいく。そんな中一人の顔が色濃く浮かび上がった。

 

 

 

 

マイケルは「MVPはチャドです!!」

 

 

 

皆「うおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

 

湧き上がる室内。ふとチャドの顔を見ると心なしか少し顔に生気が戻った気がする。良かったよかった。

 

 

 

社長「マイケル。ちなみに授賞理由はなんだい?」

 

 

 

マイケル「え!?え、えーと、なんというか・・・戦士・・・だから?」

 

 

 

心なしかチャドの顔から生気がまた無くなって行った気がした。

 

 

 

 

 

 

 

パーティ後僕は社長のもとに行き、もう一つの疑問をぶつけた。

 

 

 

マイケル「社長、すいません僕最終日明日だと思うのですけど・・・?」

 

 

 

社長「あー、それだがな。実は作業日程的に明日はほとんどの工程が動かないことになって一部の工程を除いて休みになったんだ。だから今日が最終日だ。明日はオフでいい。もし観光とかに行きたいなら行けばいい。なんなら会社に言って口裏合わせ手もいいぞ?」

 

 

 

マイケル「ほ、本当ですか!?じ、じゃあ…」

 

 

 

ここでふと思い出す。

 

 

 

先週の土日を。

 

 

 

 

何をしたか。(できなかったか)

 

 

 

何があったか。(なかったか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…うん、やること…ないな!

 

 

 

マイケル「…いえ、やはりまだまだ勉強したいので明日も出社させてください…。」

 

 

 

社長「そ、そうか…まぁ、好きにしてくれ。私は明日は出社しないからな・・・お疲れさま!!」

 

 

マイケル「お疲れ様でした・・・。」

 

 

 

 

11日目:

 

 

誰もいない工場で1日中ひたすら写真を撮りまくったとさ。

 

 

 

おわり。