この一年で成長したこと。
この一年間沈黙を貫いてきたわけなんですけどね。
理由はあります。
まぁ、妻のビザが下りたらなんか書くかって思ってたんですよ。
もう1年以上かかっているというね。ちなみにまだかかっています。
ただ、僕も1年間黙ってるわけも当然無く、日々邁進、成長しているわけですよ。
とりわけ皆さんに報告したいのが、ズバリこの一年間で僕はオートミールを食べられるようになりました。
僕とオートミールの出会いは中学生の頃。
あのアメフト漫画の金字塔、「アイシールド21」で主人公小早川セナの後のライバルとなるNASAエイリアンズのランニングバックのパンサーと、同じNASAエイリアンズのクォーターバックのホーマーがパンサーの家でパンサーのおばあちゃんが作った不味いオートミールを食べているシーンなんですよね。
(ネットでその画像を見つける事が残念ながらできなかった。恐らくこの次かその次のページくらいが問題のシーン)
稲垣先生もなんの恨みがあったのか知らないですけど、ここで週刊少年ジャンプを通してとんでもないオートミールのネガキャンを行ったんですよ。
もう皆さん薄々気づいているかもしれませんね。そう、食わず嫌いなんですよ。
でも、まぁ、日本で食べる機会なんてそもそも無いですし、アイシールド21の連載が終了してもう結構経つのでデビルバットゴーストされたみたいに僕の中でオートミールもすっと目の前から消えていました。
ところが本場アメリカに来てみるとまぁ、あるわあるわ。ホテルとか行くとだいたい朝食のビュッフェにあるんですよ。なんか、こう、ねちゃーってしたやつが。
しかも、なんかあのねちゃーってしている温かいのにやれバナナやらベリーやらの果物を入れたりして食べるんですよね、本場では。全然おいしそうじゃない。
さらに、僕のオートミール嫌いに拍車がかかったのが、赴任して間もないころ一度同僚のアメリカ人に「お前らなんで腐った豆なんか食ってるんだ!(納豆)」って言われて、僕も「お前らもオートミールとか言う気持ち悪いの食ってるやんけ!」ってついね、言ってしまったわけですよ。
冷静に考えると、全然対にもなってないんですけど。まぁ、言ってしまったものはしょうがない。もうここで僕とオートミールの溝が決定的になりました。絶対食わんと。
そんなことがあってから3年。オートミールと全く関わってこなかったんですけど、オートミールサイドから思わぬ刺客がやってきたのです。
そう、僕の妻です。
アメリカ国内旅行中、ホテルの朝食ビュッフェを食べていた時の出来事です。
妻が何かに気づき、おもむろに僕に聞いてきました。「あのポットに入っているの何?」と。
僕は一瞬妻の目線の先を見て、こう答えました。「ああ、あれはオートミールやで」と。
まぁ、僕ら世代がアイシールド21を読んで青春時代を過ごしたのは明白。これ以上の事は何も聞いてこないだろうと思い、僕は他のコーナーに行こうとしました。
しかし、このあと妻はとんでもない発言をするのです。
「ふーん。オートミール食べたことないし食べてみようかな」
妻からの不意のサック。
あれ、もしかしてアイシールド21読んでない?僕は慌てて「やめとき、不味いで!(アイシールド21によると)」と注意しました。
「いや、そんなん食べてみやんと分からんやん」と言いながら気づいたらお皿にオートミールを注いでいました。
妻は幼少期にお姉さんから毎日賞味期限の切れた食べ物をちょっとずつ与えられた影響で鋼の胃袋を持つに至ったという、ゾルディック家みたいな家で育ったんで、自らの胃袋に絶対的な自信を持っています。
慌てふためく僕をよそに妻は淡々と席に着き、そしてすっとオートミールを口にしました。
咀嚼後、僕は恐る恐る聞いてみました。
「あ、味どう…?」
「…うん、おかゆや」
…おかゆ?
「食べてみ」
にわかには信じられない妻の発言に戸惑いながらも、僕も妻に続いて食べてみました。
「…うん、梅干しとか欲しくなるな」
そこからというものの、栄養に良い(食物繊維が白米の22倍、鉄分は玄米の2倍、その他ビタミン等もろもろ入っていて低カロリー)ということもあり、家でも食べるようになり、やれ海苔をかけたり、ネギをかけたり、醤油をたらしたりして食べています。
本場と同じフルーツとか砂糖かけたりだと多分日本人の舌には合わないと思うんですが、おかゆと同じような食べ方をしたら確実に食べられます。
ちなみに僕が良く食べるのは、オートミールに胡麻、ネギ、海苔、ほぐした鮭を入れてから醤油をたらしたやつです。美味。
僕はこの一件で、
・固定観念に捉われてはいけない
・何事にもチャレンジしてみる
・パンサーのおばあちゃんは絶望的に料理が下手
ということを学びました。以上です。