マネージャーに求められるもの
突然ですけど、僕って実はアメリカではマネージャーって役職なんですよ。
マネージャーっていうのは日本で言うところのどの役職かっていうと、これは会社によっては課長であったり、部長であったりとバラバラなんですけど、うちの会社で言えば課長に恐らく相当します。
まぁ、皆さん薄々感づいているのでは無いかとは思うんですけどね。僕自身まだまだ課長の器ではないと思っています。
器で例えるなら、サラリーマンがふと「定年したら土いじりでもして、のんびり暮らしてぇなぁ…」って呟いたこのセリフ、それが僕です。まだまだ器を作り始めるのも先。そもそも本当に作るのか?それすら分からない。まぁ、そんな状況です。
実力が役職に追いついていない。いうなれば「こども店長」みたいな。そういう存在なんです。
なんでね、本当はこう色々とアメリカ人に対して指示とかしないといけない立場なのかもしれないですけど、まぁ、そんな偉そうなことはできない。相手もみんないい歳で、だいたい40-60くらい。軽く二回り以上違う訳です。キャリアが違う訳ですよ。
想像してみてください。加藤清史郎が木村拓哉に演技でダメ出しできるでしょうか?いや、できない(反語)
まず間違いなく偉そうにすると嫌われますよね。結果仕事全然うまくいかないですよね。でも時にガツンと言わないといけない。こうだよーって。
で、どうしようと悩んだ挙句、取ったのがコナン君方式。
「あれれー?おっかしいぞー?」ってね。おっちゃん気づけ…!!みたいな。
でもね、コナン君ならいいです。コナン君は常に的を得ているのでね。
僕なんて少年探偵団で言うところの元太なんで。最近リアルにうな重食べたいなって思ってるんで。
まぁ、事件が結果迷宮入りなんてザラですよ。
じゃあなんで僕みたいなヤツが課長クラスの役職につけるのか。
これはずばりVISAと関係しています。
アメリカで駐在するにあたって、就労VISAなるものが必要になります。
まぁ、就労VISAもいろいろあるみたいなんですけど、一般的な企業でアメリカに駐在する場合、「この人はこういう専門的なスキルを持っていて、アメリカの子会社にはそういったノウハウを持っている人がいない為、アメリカで働かせる必要があります」と申請するんですね。
要はこの人じゃなきゃダメなんです、みたいな事を言ってVISAを発行してもらうんです。
なので、必然的に役職が高くなっていき、結果として若い人でも高い地位に就くことが多いのです。
でもちょっと待ってください。あれれー?おっかしいぞー?
そう、思い出してください。
僕ってVISA発行してないんですよね。アメリカ人だから。
なので、当然高い役職に就く必要性もないのです。身分相応の「役職なし」でもいいんですよね。
あれれー?おっかしいぞー?と。悶々としてました。
でもそんな謎をずっと放置してたのです。元太だから。
まぁ、別になんでもいいかって。
だから悶々としてたのは最初の3時間くらいであとはずっと悶々としてませんでした。
そんなUn-Monmonとした日々を過ごす中、先週マネージャー職以上の人たち対象のハラスメント講習なるものを受けました。
カリフォルニアでは法律で2年に一回弁護士によるハラスメント講習なるものを受ける事を義務付けられており、やれこれを言うとアウト、やれあれを言うとアウトなど色々と教えてもらいました。
まぁ、結論から言うと「答えは沈黙」って言うね。もう何喋っても訴えようと思えば訴えれるとんでもない国なんだな、ここはって感じでした。
で、そんな弁護士の先生のお話で終業時間に関するお話がありました。
これも結構厳しくて、まぁ、残業したら残業代を払わなければならないのは勿論、お昼休憩も必ず決まった時間取らなければならなかったり、自宅にいるのに仕事のメールを送るのもアウト。出張中は厳しく実際の就労時間を計算してレポートを提出する必要があり、州によっては連勤日数の上限が有ったりと色々あるみたいなんです。
ほーん、結構厳しいなーと思いながら聞いてたんですよ。
そしたら弁護士の先生がこう言うんです。
弁護士「しかし、カリフォルニアは一つ特徴的な法律があって、この就業時間に関する規則。マネージャー以上、つまり管理職には一切適用されません。」
僕「!?」
弁護士「皆さんの場合は残業代の支払もありませんし、自宅に居ても仕事のメールをガンガン受け取って頂いて問題ありません。終業時間の規制も一切なく、極論365日24時間働き続ける事が可能です。過労死ライン等が存在する日本はとっても優しい国ですネ^^」
アハ体験ですよね。色々と合点がいく。あー、だから僕ってマネージャーなんだな、って。
When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.
訳:「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」
―シャーロック ホームズ―