しがない駐在員の日報(LA編)

駐在員とはなんたるかを綴ったドキュメンタリー的なブログです。

VS.DMV その2

トラブルに巻き込まれた前回の試験から約1週間。なんとか筆記試験合格をつかみ、実技試験へと駒を進めた。

 

 

実技試験では実際の道路で運転し、右左折や走行スピード、目視の有無や、運転席回りの装置の名称の確認、市街地での駐車やバックの技術などを問われる。コースはその時の試験官の気分次第で変わる。

 

 

会社の近くの試験場が結構難関ということで、念には念を入れて土日にポケモンGOに勤しみたいのをぐっと堪えて実際の試験場に赴き練習した。

 

 

そして昨日本番を迎えることになった。

 

 

一緒に来た先輩(免許保持者が一緒に来ないといけない)から「君に受かってほしいという気持ちと落ちてほしいという気持ちが今ちょうど50:50。」という熱い激励を受け、いざ試験へ。

 

 

受付を済ませ、車の中で待機しているとアジア系のおっさんの試験官がやってきた。

 

 

試験官「じゃあまずライトの確認から。」

 

 

一連の車の動作の確認作業をやっていき、終えると助手席に乗り込んでくる。

 

 

試験官「それでは発進してください。」

 

 

賽は投げられた。

 

 

僕はまずゆっくり発進し、公道に入る手前で一旦停止。一方通行の道路なので右折のウィンカーを出しつつ、目視で周囲を確認。左から絶妙な位置で車が走っていたので待機した。すると、

 

 

試験官「何をやってるんだ!今の行けるだろ!ここはカリフォルニアだ!ちゃきちゃき運転しないとやられるぞ!!」

 

 

僕「ヒェ・・・」

 

 

試験官「ほらー車がどんどんくるー!!さっきのが完璧なタイミングだったんだ!」

 

 

僕「す、すいません。」

 

 

 

考えうる最低のスタートを切った。

 

 

しばらく走らせると住宅街へ突入。住宅街では歩行者に気を付けているか。右左折がきちんとできているか。そして駐車技術とバックの技術の確認が行われる。

 

 

「ほかの車が停止線で止まらず走るかもしれない。」「歩行者が急に飛び出すかもしれない。」「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない。」あらゆるかもしれない運転を想定して走るもことごとく試験官に「遅い」と否定される。

 

 

しまいには試験官からの指示も「はい次左」「はい右」「あ、あ、今の所右!はい、うまく曲がれなかったー減点―。」と段々雑になる。

 

 

こんな感じで雑になると落ちている可能性が非常に高いらしい。

 

 

(あー、やばいな。でもまだたぶん大丈夫なはず・・・!)

 

 

 

試験官「はい、じゃあ市街地抜けようか」

 

 

えええええええ!!!ち、ち、駐車は!?バックは!?

 

 

 

もうね、こんな感じに何か重要な項目をすっとばされるとだいたい落ちているパターン。

 

 

そのまま試験場へとぼとぼと帰って行った。

 

 

試験場へ戻ると試験官による振り返りと採点、そして結果発表が行われる。

 

 

試験官「いいか!この国には優先権があるんだ!優先権があれば堂々と走る!お前は注意をしすぎだ!ここは改善する必要がある!他の所だとな・・・」

 

 

試験官「・・・」

 

 

???

 

 

試験官のペンが止まる。ん?なんだろうと恐る恐る採点シート覗くと、

 

 

 

バック、駐車の項目だった。

 

 

試験官「・・・。」 

 

 

僕「・・・。」

 

 

 

試験官「いいか、交通ルールを守らないやつはクズだ。だが、歩行者を守らないヤツはそれ以上のクズだ。というわけでお前は合格だ。28番の窓口に行って免許証をもらってきなさい。」

 

 

こ、こいつ!試験項目を忘れたくせに、なに鈴取り合戦の時のカカシ先生みたいなこと言ってんねん!!

 

 

と思いつつもまぁ、合格なんで特に文句も言わず、無事免許証をゲットしましたとさ。

 

 

 

なんというかまぁ、筆記試験の時からですが、全体的に腑に落ちなかったです。