しがない駐在員の日報(LA編)

駐在員とはなんたるかを綴ったドキュメンタリー的なブログです。

「マイケルVS.アレクサンダー」

海外の方からするとですね、どうも日本の名前って基本的に発音しにくいみたいで。

 

 

駐在員って結構な割合で欧米の名前のニックネームをつけるみたいなんですね。

 

 

だいたいは自分の名前に少し似た名前をつけるっていうパターンが多いみたいなんですけど、(例えばオサムならSAMとかね)僕はちょっと違う方法で行こうと思いまして、最終的に「マイケル」か「アレクサンダー」のどちらかまで絞り込みました。

 

ちなみにマイケルは僕のいにしえからの愛されニックネームで、アレクサンダーは皆に忘れ去られている僕の実のミドルネームなのです。

 

いや、実際すごい悩みましてね。マイケルならずっと呼ばれ続けているのですぐさま反応できるのに対し、アレクサンダーはなんといっても本名ですからね。

 

で、迷った末に会社の同期のラインにこの議題をふと投げかけましてね。もう同期に決めてもらおうと思いまして。一石を投じたわけですよ。新たなきのこ・たけのこ戦争ですな。

 

もう、これで同期同士がヒートアップして争い始めて「やめてーーー!私のために争わないでーーー!!」ってなるかなー?って思ったんですよ。

 

 

 

そしたらまさかの全員マイケルを推すというね。たけのこの里圧勝ですわ。

 

 

だからもう「マイケルで行きます」つって名刺とかにも入れちゃいまして一応マイケルで通しました。

 

 

そんなこんなである日、全米にちらばっている営業とこっちの本社側とで全米の電話会議があったんですけど、それで僕も出席したんですよ。

 

あんなこんとやこんなことを話し合っていたんです。まぁ、これは内容が言えないので「きのこの山はチョコが手につかない」とか「たけのこの里はクッキー部分がうまい」とかまぁ、そんな感じで意見交換が行われていたと思っておいてください。

 

 

そんな感じで熱い議論が繰り広げていたら、司会の人が思い出したように「そういえば今回から日本から来たマイケルに会議に加わってもらうからよろしく」と言うもんだから僕も「あ、マイケルです。よろしくお願いします」ってあいさつしたんですよ。

 

 

さぁ、あとは聞きに徹するだけかな・・・?って思ってたらある人から「彼はなぜマイケルなんだ?」という質問が飛び出したのです。

 

 うわ、説明するのめんどくさい。と思って「いやー、話すと長いので!やっぱり僕はたけのこの里の食感g…」

 

「いや、マジで。なんで?」

 

再度質問される。どんだけ興味津々なんだ。

 

すると、会議室が静まった。

 

 

え、これマジで説明せなあかんやつやん・・・。

 

 

僕も観念してこう口を開いた…。

 

 

「Weii, it's a nickname from my schooldays. When I first introduced my self to my classmates, I told them my middle name is Alexander, which it really is. I thought they will remember my name by saying that. Then after the self introduction part, one of my classmates tried to call my name but he was like "Wait what was his name? I do remember he had an American name....." "MICHAEL???" That's how I became Michael.」

 

 

 会議室が爆笑の渦に包まれましたわ。全米を笑わせました。みんな口々に「いや~それはマイケルだわ笑」とか「そうだな、お前はマイケルだ!笑」と笑いながら肯定し、僕も初めて英語のすべらない話を成功させホクホクしていたのですが、その時皆の笑い声の中にひとつ不穏なセリフを聞き取ってしまったのです。

 

「お前はマイケルじゃない」と。

 

 

初めてですよ、僕のリスニング能力の高さが仇となったのは。

 

 

え、いや、なんで?どいつが言ったんだ・・・?僕が静かに会議室を見まわすとすぐにわかりました。一人だけ笑っていない人がいたのです。その人と目があい再び言われました。

 

 

「お前はマイケルじゃない」

 

 

っていうか、お前普段席隣やんけ!!そんなことを思いながら普段一緒に仕事してたんか!!

 

 

僕は静かに聞きました。

 

 

「なぜ僕はマイケルじゃないんだい?」と。

 

 

すると、「いや、すまない。君の話を聞いてなぜマイケルなのかというストーリーは分かったのだが、君はマイケルという顔をしていない。アレクサンダーならまだ分かる。でも私の中では君はどうしてもマイケルではないのだ。すまない。」

 

まさかきのこの山派がまだ潜んでいたとは・・・。

 

というか!普段は逆のことを言われるのに!!

 

なんせ僕マイケルと呼ばれた回数は多分5万回くらいあると思うんですけど、アレクサンダーって呼ばれたことたぶん30回もないと思うんですよね。

 

 

まぁ、そうやって言われるものだから僕も仕方ないので「分かった。いつかマイケルと呼んでもらえる時が来ることを願うよ」とだけ言い、また会議に戻りました。

 

 

あの会議から一週間ほど経ちましたが未だ彼からマイケルと呼ばれません。

 

僕は知っています。誰かが「マイケルがうんぬんかんぬん」とか僕の話をしていると「奴はマイケルじゃない」と彼がぼそっと言っているのを。(念のため言っておきますけど、僕と彼の関係はこの件以外はすこぶる良好です。)

 

 

やらなきゃいけないことが多いのにまた一つ「きのこの山派の撲滅」という新たな駐在の目標ができてしまいました。 

 

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