しがない駐在員の日報(LA編)

駐在員とはなんたるかを綴ったドキュメンタリー的なブログです。

汗と涙とファイバーグラスの工場編パート2

前回までのあらすじ。

 

 

ファイバーグラス超痛え。

 

 

 

 

 

 

 

二日目:

 

 

 

工場員の朝は早い。

 

 

 

 

午前5時に起床。たかが2時間の時差。されど2時間の時差。実質午前3時に起きたことになる。

 

 

 

つ、つらい。

 

 

 

工場は朝の6時からスタートする。これは日の出る前に乾かさなければならない作業を済ませてしまうためである。

 

 

 

現代っ子の僕にはなんともつらいスケジュールである。

 

 

 

適当に朝ご飯をつまみ、作業服に着替え工場へと車で向かった。

 

 

 

工場独特のなんとも言えぬ匂いに出迎えられつつ、僕は人事部のおばちゃんの元へ向かった。

 

 

 

僕 「おはようございます。本日はどちらの工程へ向かえば…?」

 

 

 

人事部 「今日もファイバーグラスを塗りたくって!」

 

 

 

 

…え?また?

 

 

 

 

どうやら今日は船の別のところを塗りたくるらしい。

 

 

 

 

なんだかなーと思いながらてくてくついていった。

 

 

 

 

人事部「 さぁ、着いたわ。今日はここで一日作業してもらいます。ここのチームリーダーを紹介するわね。ジョジョ!こっちきて、今日ここで一日働くマイケルよ!」

 

 

 

 

き、き、き、きたあああああああ!!

 

 

 

 

ついに!ついに憧れのジョジョに会うことができました!まさかオクラホマにいたとは…。

 

 

 

 

 

ジョナサン・ジョースターなのか。ジョセフ・ジョースターなのか。はたまた、逆に空条・ジョリーンなのか。わくわくしながらジョジョの登場を待った。

 

 

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参考図:ジョナサン・ジョースタージョジョの奇妙な冒険第一部ファントムブラッドの主人公。

 

 

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参考図:ジョセフ・ジョースタージョジョの奇妙な冒険第二部戦闘潮流の主人公

 

 

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参考図:空条・ジョリーン。ジョジョの奇妙な冒険第六部ストーンオーシャンの主人公。

 

 

 

 

 

 

ジョジョ「お前がマイケルか!よろしくな!ペッ!おっとすまねえ!唾を吐くのは…そう、癖。癖なんだ。決して悪気があったわけじゃあないんだぜ。へへへ」

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、もう何この人。ジョジョっていうかヨーヨーマッのスタンドですよね?

 

 

 

 

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参考図:ヨーヨーマッ。ジョジョの奇妙な冒険第六部に登場する唾液を使って相手を攻撃する敵スタンド。

 

 

 

 

そんなジョジョ改めヨーヨーマッとその愉快な仲間たちと作業を進めていく。

 

 

 

 

このファイバーグラスを塗りたくるのも2日目。さすがに慣れてくるのかと思いきや、ここのチームは曲線や窪みがやたら多いところを担当しているみたいで難易度が格段に上がる。

 

 

 

 

絶対に作ってはいけないという空気のポケットを無尽蔵に生み出していく。

 

 

 

 

手も足も出ないままお昼休憩へ。

 

 

 

 

だ、だめだ・・・根本的にこの作業が向いていない・・・。しかも暑い・・・。眠い・・・。

 

 

 

???「大変なところに捕まっちまったなァ」

 

 

 

 

僕「こ、この声は!?」

 

 

 

ロビン「あそこは格段に難易度が跳ね上がる。俺は2時間で音を上げた。手をうまく使え。手は自由が利くからなァ。ファイバーグラスを恐れるな。俺はできないが、お前ならひょっとして・・・?」

 

 

 

そう言ってロビンはどこかに去って行った。

 

 

 

 

 

2時間は持たなすぎじゃあ・・・。

 

 

 

 

 

手がかゆくなるのでロビンのアドバイスは華麗に無視しつつ、作業に戻る。

 

 

 

〜終業間際〜

 

 

 

相変わらずなれない作業の最中にチームの一人が僕に話しかけてきた。

 

 

 

 

チームメイト「±Δ§Γ×?」

 

 

 

ん?

 

 

 

僕「ぱーどぅん?」

 

 

 

 

チームメイト「¶ζσρΔ?」

 

 

 

 

ん?

 

 

 

僕「ぱーどぅん?」

 

 

 

 

チームメイト「ЫШλφ!?」

 

 

 

 

いや、ちょっと語尾つよなってるやん。。もうね、薄々ですよ。薄々思ってたんですけどオクラホマ訛りの英語全然聞き取れない。僕本当にリスニングにだけは絶対的自信があって、まぁ、たいがいの訛りも20分すればもう慣れて完璧に聞き取れるんですね。

 

 

 

オクラホマの英語分からん。

 

 

 

全員じゃないんですけど、5人に1人くらいの割合で何言っているか全く分からない人がいるんです。(出身地によっても違うのでしょうか?)

 

 

 

 

この人も全く分からない人の一人なのです。

 

 

 

 

 

僕は意を決して言いました。

 

 

 

僕「プリーズ スピーク スローリー!」

 

 

 

屈辱のセリフ。僕はこの時生まれて初めてこのフレーズを使いました。

 

 

 

 

チームメイト「エ ク ス キュー ズ ミー!!」

 

 

 

 

いやいやいやいやいやいや。絶対すごい難しいこと言ってると思ったら!ま、まさかのエクスキューズミー!?

 

 

 

 

あまりのことに僕が呆然と立ち尽くしていると、

 

 

 

チームメイト「お前、本当に英語話せるのか?」(なぜかこれは一発で聞き取れる)

 

 

 

と屈辱の言葉を浴びせかけられます。

 

 

 

 

く、くそ・・・!こいつ!!と頭にきた僕は、

 

 

 

 

 

┐(。・∀・。)┌さぁ?

 

 

 

 

 

ジェスチャーで返しておきました。

 

 

 

 

 

こうして相変わらずうまくもならないまま、チームメイトともコミュニケーションが満足にとれないまま、2日目を終えました。

 

 

 

 

 

 

三日目:

 

 

 

 

 

相変わらず慣れない。今日もファイバーグラスまみれになります、か。と気合を入れて出勤する。

 

 

 

 

僕「今日はどこにファイバーグラスを塗ればいいのですか?」

 

 

 

 

 

人事「今日からもう塗らなくて大丈夫です、次のステップ、サンディングに行きましょう。」

 

 

 

 

 

ひゃっほーーーーーーーーう!おさらばだーーーーーい!

 

 

 

 

僕が心の中でガッツポーズをしている中ある不穏な声を聴きとってしまう。

 

 

 

 

「あいつ、気の毒に・・・」

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

人事「じゃあこれをつけて」

 

 

 

スッと耳栓とデジモンの歴代主人公が付けているゴーグルみたいなのを渡される。

 

 

 

 

 

僕「こ、これは?」

 

 

 

人事「耳栓とゴーグルです。次の工程ではこれが必須なのでつけて作業してください。」

 

 

 

僕「わかりました」

 

 

 

 

人事「それではあそこの部屋が作業場です。私は入らないのでここでお別れです。頑張ってください」

 

 

 

嫌な予感がしつつも、耳栓とゴーグルを着用し、言われた作業場に入る。

 

 

 

 

 

 

 

チュイーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

いや、もう早速うるせえ。このうるさいドリル音を掻き分け、リーダーらしき人に声をかける。

 

 

 

 

僕「あの、すいません、ここで今日働くマイケルです。」

 

 

 

 

 

リーダー「来たか!!俺の名h(チュイーーーーーーーーーーン)…っそくじゃあそこで作業を始めてくれ。」

 

 

 

 

いや、もう全然分からん。ほぼチュイーーーーーーーーーーンしか聞こえん。リーダー=チュイーン。作業=チュイーンですもん。

 

 

 

 

とりあえず渡された工具から察するに、ボートに目印を付けたところにホースやコード類を通すための穴をドリルで開けていくらしい。

 

 

 

 

 

僕は早速ドリル片手に作業を始めた。ボートにドリルを当てる。スイッチを入れる。手がはじかれる。

 

 

 

???

 

 

 

 

もう一度やってみる。

 

 

 

 

ボートにドリルを当てる。スイッチを入れる。手がはじかれる。

 

 

 

 

 

はいはいはい。ズバリあれね。力負けしてる、と。

 

 

 

 

 

いや、なんというかビビっている。ドリルというものにビビって逃げ腰になっている。穴を開けちゃいけないところに穴を開けたらどうしよう。そんな不安が僕を安定志向に走らせ、思い切った動きを取らせてくれない。

 

 

 

 

 

リーダー「おい、何してんだ!?とっとと穴を開けていけ!!!!」

 

 

 

 

 

僕「は、ははははい!!!!」

 

 

 

 

ガガガガ、チュイーーーーーーーーーーン!!

 

 

 

 

なんというか・・・ドリルって・・・勢いですね。

 

 

 

 

不安という感情を失った僕はドリルマシーンとして順調にドリルで穴を開けていく。

 

 

 

というかこんなにあけていいの?ダルメシアンの模様くらい穴をたくさん開けていく。

 

 

 

しばらく調子に乗って穴を開けていると、普段使わない筋肉が強張ったのか自分の動きが鈍くなっていくことに気が付いた。

 

 

 

ダメだ、このままでは手が死んでしまう。。

 

 

 

僕はゆーーーっくり作業ペースを緩めた。

 

 

 

 

するとチームリーダーが両手で何かを折るジェスチャーをしながらすごい勢いで僕のもとに向かってくる。

 

 

 

 

え、なに?ば、ばれた!?しかも何そのジェスチャー!?てめぇの体チューペットみたいに二つに折ってやろうかってこと!?

 

 

 

僕「すすすすす、すいませんでし…」

 

 

 

チームリーダー「新入り、ブレイク(休憩)タイムだ。」

 

 

 

 

え、なに?ブレイク(壊す)とブレイク(休憩)が掛かってるってこと?あ、焦ったー・・・。ここの作業場ではチュイーーーーンの音のせいでこういう風な合図でやり取りをしているらしい。

 

 

 

 

その他にも船をドンと叩いて相手にこっちを向かせる通称:船ドンなどが存在する。

 

 

 

 

休憩時間。

 

 

 

僕は休憩室で普段通り休憩を取っていたが、何やらいつもより視線を感じる。

 

 

 

なんでだろう?という疑問は彼が説明してくれた。

 

 

 

 

ロビン「マイケル、とんでもない所に飛ばされちまったなァ。お前がいるサンディングは暑い、耳に悪い、目に悪い、肺に悪い、作業がきついというこの工場誰しもが認める一番のハズレ工程だ。そこをやらせるとはお前の会社は正気じゃあない。見捨てられちまった可能性があるなァ…。悪いことは言わない。身支度の準備をしな。」

 

 

 

 

なるほど、通りで・・・。

 

 

 

会社に見捨てられたらしい僕だが、まぁ、帰るわけにもいかないので作業場へ戻った。

 

 

 

 

しかし、なんでしょうね。ドリルさばきはなんだかんだ結構上達して、スムーズに作業ができるようになりましてね。まぁ、昨日までのファイバーグラスよりは気持ち的にマシかな、って。

 

 

 

穴を開けなくていい所に何回か穴をあけた気もするけれど、ドリルさばきという謎のスキルを身につけ、3日目は無事に終わりましたとさ。

 

 

 

 

つづく。

 

 

 

  

汗と涙とファイバーグラスの工場編パート1

カキーーーン!!

 

 

 

青空に向かって白球を打ち、「いやー、なんとか来週には間に合いそうですね。」と僕は安どの気持ちを織り交ぜつつ先輩に言った。

 

 

 

そう、この日は南カリフォルニアの日本企業対抗ソフトボール大会的なものに向けてソフトボールの練習をしていた。

 

 

 

初めこそまったくフライやゴロが取れず、しかも打てないし、走れないという粗大ごみだった僕も練習を重ね、資源ごみくらいにはなっていた。

 

 

 

ライバル会社も複数参加企業リストに入っている。

 

 

 

負けるわけにはいかない!うおおおお、やってやるぞおおおお!!

 

 

 

大リーグ挑戦編 開幕!!

 

 

~練習後~

 

 

練習を一通り終えて、道具を返すために会社に戻った。

 

 

ごそごそと道具をしまっていたら一緒にいた上司に何やらメールが来たようでそのままメールを読み、内容を確認し、静そしてかに笑った。

 

 

なんだろうな、と思いながら引き続き道具をしまっていたら上司が口を開いた。

 

 

上司「マイケル。ボートについて学びたいって言ってたやんな??」

 

 

僕「あ、はい。そうですね、まだまだ僕も未熟ですから。」

 

 

上司「例の件、来週から行けるみたいやで?」

 

 

僕「例の件…?はっ!!ま、まさか!!!」

 

 

上司「マイケル、来週から船会社の工場に出向や!!」

 

 

僕「な、なんだってーーー!!というかソフトボールは??」

 

 

上司「(ニコッ)」

 

 

僕「(ニコッ、ですよねー)」

 

 

大リーグ挑戦編 完!!

 

 

 

 

 

この一件からわずか6日後、気づいたらオクラホマという州に来ていた。州都はオクラホマシティ。そこから車走らせること約一時間。なんというかあまり何もない街にやってきた。

 

 

「いろいろあるぞー?マクドナルドとか、ケンタッキーとか。ま、いろいろあるぞ!」と行く前に僕に語ったアメリカ人の同僚。

 

 

彼の言葉に嘘はなかった。

 

 

いろいろあるぞー?サブウェイとか、タコベルとか。

 

 

 

まぁ、そんな何もない街についた日は夜も遅かったのでそのままホテルに泊まり、翌日に備えた。

 

 

 

工場1日目:

 

7時半起床。カリフォルニアとは時差が2時間あり、実質5時半に起床。正直眠い。

 

 

「めっちゃ汚れるからこれを持っていけ。向こうで捨ててきてもいいから(ニヤニヤ)」と渡されたTシャツを着て船工場に向かった。

 

 

工場はホテルから車で約5分。

 

 

 

着くとそこにはなんとも例えづらいくらいの大きさの工場が建っていた。(野球場くらいかな?)

 

 

 

正面玄関から入り、受付のお姉さんに今日からしばらくこちらで働かせてもらう者であるという旨を伝え、担当の方を呼んでもらった。

 

 

 

待つこと5分。

 

 

人事のおばちゃんが出てきた。

 

 

 

人事「ようこそ。では早速説明に入ります。まず施設内での携帯電話の使用は禁止です。すみませんが、ここで働いてもらう以上従っていただきます。」

 

 

 

ポケモンGOできんやんけ・・・。

 

 

人事「次に出社時間ですが、今日は大丈夫ですが、明日からは6時に出社してください。」

 

 

僕「Oh, PM?」

 

 

人事「No, AM」

 

 

 

え、早すぎない?カリフォルニア時間だと実質4時に出社やん?

 

 

人事「休憩時間は8時前後に10分、2時前後に10分。そして11時付近にお昼休憩で30分です。」

 

 

 

え、お昼短すぎない?え、お昼買いに行けなくね?

 

 

 

人事「今日のお昼はなんとかして用意しておきます。」

 

 

 

僕「わ、わかりました。」

 

 

 

人事「まぁ、とりあえずはそんな感じです。毎日違った行程を回ってもらうのでその都度言います。工場の作業大丈夫そうですか?」

 

 

僕「昔日本の工場で働いていたことがあるので任せて下さい!」

 

 

 

そう、僕は新人研修のとき日本の工場で2か月半(くらいだったかな?)働いていたのでまぁ、2週間くらい大丈夫だろう。ましてや僕はかなりきつい行程に配属されていたのであれと比べたら全然余裕だろう、と。

 

 

 

この時はね、そう思っていました。

 

 

人事の人に連れられて歩いてすぐ。小さな扉の前で一瞬止まった。

 

 

 

人事「この扉の先が工場です、準備はいいですか?」

 

 

 

僕「大丈夫です!」

 

 

人事「OK,HERE WE GO!!」

 

 

扉を開けるとまず様々な音が同時に飛び込んできた。

 

 

「チュイイイイイイイイン!!!」

 

 

「ウィーーーン!!!!」

 

 

「カンカンカン!!!!」

 

 

「HEY♪YO♪マザーフ〇ッカー♪(謎のヒップホップ大音量)」

 

 

 

え?

 

 

いや、最初の方はうん。なんか結構聞き覚えある感じの音。こう、なんというか工場ですよね。

 

 

え、なんか聞き間違い?今マザーフ〇ッカーって言ってなかった?

 

 

そしてすぐさま周囲を見渡した。

 

 

まずね、怖い。もうみんなタトゥーを入れてる。

 

 

しかもどれも結構でかい。腕全体にかけてこう入れてあったりとか。

 

 

もう誰も彼もが邪王炎殺黒龍破撃てそうなんですよ。

 

 

 

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イメージ図

 

 

あとアジア人が全くいないんですね。圧倒的アウェー感。

 

 

 

後で知ったのですがオクラホマはアジア人の割合がかなり低いみたいで、マジで工場で僕一人だけでした。

 

 

大丈夫かな・・・

 

 

そんな不安の中、最初の工程へと案内された。

 

 

 

人事「ここがラミネーション行程です。ここからスタートしましょう。紹介します、ここのチームリーダーのジョッシュです。」

 

 

ジョッシュ「よろしく」

 

 

僕「よろしくお願いします。」

 

 

ジョッシュ「じゃあとりあえず僕のやることを見ててくれ。」

 

 

僕「はい。」

 

 

そういうとジョッシュは船のハルという平たく言うと船体?のベースとなっているであろう巨大なものにペタペタとファイバーグラスのシートを張り付け、細かいファイバーグラスをスプレーガンで吹き付け、専用の糊で塗りたくってシートを固定していく。これを毎回不要な糊をヘラで落としながらひたすら繰り返して層を厚くしていく。

 

 

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かなり簡略化したハルの参考図。

 

ジョッシュ「どうだできそうか?」

 

 

僕「やってみます。」

 

 

べちょーん。うまくいかない。

 

 

ジョッシュ「ははは、まぁ、難しいだろうな。こいつなんて何年もやってるが全然できないからなぁ!」

 

 

そう言いながら部下を紹介する。

 

 

「へへへ、すいやせん・・・!紹介が遅れたな、新人。俺の名前はクリス。だがまぁ、ロビンって呼んでくれ。」

 

 

クリスでなんでロビン?とはちょっと思った。

 

 

 

このロビンとやら。ジョッシュが推定30台前半とすると年齢は恐らく40代前半と推測する。

 

 

 

アメリカの実力主義が垣間見えた。

 

 

 

そうこうするうちに遅れて参加した分早速昼休憩に入った。

 

 

 

僕は直接休憩所には行かず人事の人の元へ行き、お昼をせびりにいった。

 

 

 

人事「マイケル、お昼を用意しておいたわ。これを食べなさい。(スッ)」

 

 

 

マルちゃんのカップ麺だった。。。

 

 

 

あざっすと言いながらどさくさにまぎれて二個取り、休憩所へ行った。

 

 

 

しかしここでハプニングが発生する。

 

 

お湯を沸かすものが見当たらない。あるのは水道水だけ。

 

 

 

え、どうしよう。困った。

 

 

誰かに聞こうかとあたりを見渡したらロビンがいた。

 

 

僕「ロビン、ここって何かお湯を沸かす機械ない?」

 

 

 

ロビン「おいおい、マイケル。どこに目をつけてるんだ。そこにあるだろ?」

 

 

 

ロビンが指さす方を見ると電子レンジがあった。

 

 

僕「え?」

 

 

ロビン「おいおい分からないのか?水を入れてチンするんだよ。それで出来上がりさ、簡単だろ?」

 

 

マジでか。。。

 

 

僕は言われるがまま水道水をカップ麺に注ぎレンジに入れる。

 

 

 

しかし、ここで第二の罠が発動する。

 

 

水がくさい。

 

 

もうなんというかくさい。このままレンチンしても絶対うまくいかない。

 

 

 

そんな予感をしつつ、レンチンへ。

 

 

 

待つこと3分。一応物は出来上がる。

 

 

 

さて、それではさっそく・・・!フォークで麺をすくい口に含む。

 

 

ん!!これは・・・!

 

 

従来とは違う手法で調理したことにより麺がバリカタを通り越してハリガネ状態となり、触感にアクセントを加えている!また、くさい水で溶いたスープが面妖な臭いを放ち、鼻孔をくすぐる。

 

 

 

まずい。

 

 

 

僕はそのまま静かに二個目のカップ麺をかばんにしまった。

 

 

 

そして30分の休憩はあっという間に終わり、職場に戻った。

 

 

職場に戻ると人事のおばちゃんが僕のことを待ち受けていた。

 

 

人事「マイケル、次の工程に行くよ!」

 

 

よっしゃ、次はどんなところだろう。とりあえず今の作業には早速飽きたので期待に胸を膨らませ、人事についていく。

 

 

ついていくこと3秒。

 

 

人事「はい、次はここです。」

 

 

僕「え・・・」

 

 

先ほどまでの工程の隣に移っただけだった。

 

 

ま、まさか・・・

 

 

人事「はい、今度は船体じゃなくて、船体の上の部分です。同じような作業をしてくださいね。」

 

 

僕「」

 

 

 

もぅほとんど同じ面子で作業を進める。というか先ほどまでとの違いが分からない。

 

 

死んだ目をしながら作業を進めること2時間半。ようやく10分休憩に入る。

 

 

休憩所に移動する。

 

 

だ、脱走したい・・・。

 

 

???「おいおい、しけた面してるなー?」

 

 

僕「こ、この声は?」

 

 

ロビン「どうだー?新しい職場は?あそこは初めの所と同じのように見えてまるで違う。俺は10日ともたなかった。お前は何日持つかな?楽しみにしてるぜー」

 

 

そう口にし、どっか去って行った。

 

 

(あいつなんやねん・・・)

 

 

そう思いながら静かに職場に戻った。

 

 

 

ラスト2時間の作業。ここで異変が起きる。

 

 

腕が…いたかゆい。

 

 

そう、ファイバーグラスは刺さると痛いのだ。

 

 

今そのファイバーグラスをもうマーガリンみたいに塗りたくっているといっても過言ではない。

 

 

なんというか日焼けとかの痛みに近い。ぎりぎり我慢できない感じ。

 

 

そんな僕の様子を見てひとりのおじいちゃん作業員が僕に話しかけてきた。

 

 

おじいさん「お前さん、帰ったらあつーーーーいシャワーを浴びなさい。熱いシャワーが毛穴を開き、ファイバーグラスを落としやすくしてくれるのじゃ。フォフォフォ。」

 

 

そう言い残してどっかに行った。

 

 

 

ナイスアドバイス!おじいさんさすがキャリアを積んでいるだけある。

 

 

 

???「待ちな、マイケル」

 

 

こ、この声は!?

 

 

 

ロビン「ヤツの言っていたことに惑わされるなぁ。帰ったらつめたーーーーーいシャワーを浴びろぉ。冷たいシャワーが肌の感覚を麻痺させ、痛みを和らげるんだぁ。」

 

 

 

ロビンはそれだけ言い残して去って行った。

 

 

 

…いや、結局どっちなん?

 

 

 

結局どちらが良いか分からないまま。初日の作業が終わった。

 

 

作業終了後僕は足早にホテルへと向かい、汗とファイバーグラスまみれの体を洗うべく、服を脱ぎ捨てバスルームへと向かった。

 

 

 

さて、ここからが問題だ。おじいさんの意見を取るか、はたまたロビンの意見を取るか。

 

 

 

 

迷った末、やはり亀の甲より年の劫という事でおじいさんの意見を採用し、シャワーの温度をアツアツにし、意を決してバスタブに進入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!

 

 

 

 

え、なにこれ。めっちゃ痛い。もしかして2016年に新たな拷問方法を発見しちゃった?熱いシャワーで傷穴やら毛穴やらを開いたことによってファイバーグラスが自由の身となって暴れまくり、熱いシャワーが傷口を悪戯に痛め、もう例えるならばファイバーグラスの盆踊り。祭りだ祭りだ!ってファイバーグラスが好き勝手にはしゃいでいます。

 

 

 

これはいかんとすぐにバスタブを離れ、シャワーの温度を下げに下げ、急きょロビン案に変更する準備を整えた。

 

 

 

あのじじい明日覚えておけよ・・・と再びバスタブに進入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ANGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!

 

 

 

あれ?2016年に早くも2個目の拷問方法発見?先ほどの痛みが動の痛みだとしたらこちらは静の痛み。開いていた各穴を冷たい水によってキュッと締め上げ、その動きがファイバーグラスの肌への侵入を助長した。また、冷たい水がボロボロの肌にスコールのように強く打ち付け、刺激を与えてくる。痛い。

 

 

僕はすかさずバスタブから離れ、床に四つん這いになって痛みに耐えた。5分ほど。

 

 

 

僕もまだまだ若いと自負していてこの先何十年と生きる予定ですが、恐らくですよ?この先含めた人生トップ3に入る屈辱的な格好をしていたと思います。

 

 

 

「まだ初日、なのか・・・。」思わずそうつぶやき、初日を終えた。

 

つづく 

VS.DMV その2

トラブルに巻き込まれた前回の試験から約1週間。なんとか筆記試験合格をつかみ、実技試験へと駒を進めた。

 

 

実技試験では実際の道路で運転し、右左折や走行スピード、目視の有無や、運転席回りの装置の名称の確認、市街地での駐車やバックの技術などを問われる。コースはその時の試験官の気分次第で変わる。

 

 

会社の近くの試験場が結構難関ということで、念には念を入れて土日にポケモンGOに勤しみたいのをぐっと堪えて実際の試験場に赴き練習した。

 

 

そして昨日本番を迎えることになった。

 

 

一緒に来た先輩(免許保持者が一緒に来ないといけない)から「君に受かってほしいという気持ちと落ちてほしいという気持ちが今ちょうど50:50。」という熱い激励を受け、いざ試験へ。

 

 

受付を済ませ、車の中で待機しているとアジア系のおっさんの試験官がやってきた。

 

 

試験官「じゃあまずライトの確認から。」

 

 

一連の車の動作の確認作業をやっていき、終えると助手席に乗り込んでくる。

 

 

試験官「それでは発進してください。」

 

 

賽は投げられた。

 

 

僕はまずゆっくり発進し、公道に入る手前で一旦停止。一方通行の道路なので右折のウィンカーを出しつつ、目視で周囲を確認。左から絶妙な位置で車が走っていたので待機した。すると、

 

 

試験官「何をやってるんだ!今の行けるだろ!ここはカリフォルニアだ!ちゃきちゃき運転しないとやられるぞ!!」

 

 

僕「ヒェ・・・」

 

 

試験官「ほらー車がどんどんくるー!!さっきのが完璧なタイミングだったんだ!」

 

 

僕「す、すいません。」

 

 

 

考えうる最低のスタートを切った。

 

 

しばらく走らせると住宅街へ突入。住宅街では歩行者に気を付けているか。右左折がきちんとできているか。そして駐車技術とバックの技術の確認が行われる。

 

 

「ほかの車が停止線で止まらず走るかもしれない。」「歩行者が急に飛び出すかもしれない。」「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない。」あらゆるかもしれない運転を想定して走るもことごとく試験官に「遅い」と否定される。

 

 

しまいには試験官からの指示も「はい次左」「はい右」「あ、あ、今の所右!はい、うまく曲がれなかったー減点―。」と段々雑になる。

 

 

こんな感じで雑になると落ちている可能性が非常に高いらしい。

 

 

(あー、やばいな。でもまだたぶん大丈夫なはず・・・!)

 

 

 

試験官「はい、じゃあ市街地抜けようか」

 

 

えええええええ!!!ち、ち、駐車は!?バックは!?

 

 

 

もうね、こんな感じに何か重要な項目をすっとばされるとだいたい落ちているパターン。

 

 

そのまま試験場へとぼとぼと帰って行った。

 

 

試験場へ戻ると試験官による振り返りと採点、そして結果発表が行われる。

 

 

試験官「いいか!この国には優先権があるんだ!優先権があれば堂々と走る!お前は注意をしすぎだ!ここは改善する必要がある!他の所だとな・・・」

 

 

試験官「・・・」

 

 

???

 

 

試験官のペンが止まる。ん?なんだろうと恐る恐る採点シート覗くと、

 

 

 

バック、駐車の項目だった。

 

 

試験官「・・・。」 

 

 

僕「・・・。」

 

 

 

試験官「いいか、交通ルールを守らないやつはクズだ。だが、歩行者を守らないヤツはそれ以上のクズだ。というわけでお前は合格だ。28番の窓口に行って免許証をもらってきなさい。」

 

 

こ、こいつ!試験項目を忘れたくせに、なに鈴取り合戦の時のカカシ先生みたいなこと言ってんねん!!

 

 

と思いつつもまぁ、合格なんで特に文句も言わず、無事免許証をゲットしましたとさ。

 

 

 

なんというかまぁ、筆記試験の時からですが、全体的に腑に落ちなかったです。

 

 

 

 

VS.DMV

いやはやすっかり更新が止まってしまいまして。

 

あの、言い訳をさせていただくと、出張と引っ越しが同時期に重なりまして。しかも今日ようやく新居でネットが開通しまして。

 

 

そんなわけなんです。

 

 

まぁ、なんだ…。

 

 

許せ…!

 

 

 

 

さて本題ですが、先日カリフォルニアの運転免許の試験を受けてきましたのでその様子をお伝えします。

 

 

八月某日。普段の出勤ルートとは違う道で車を走らせる。目的地はそう、DMV

 

 

まるでDAIGOだが、DMVとは(Department of Motor Vehicles)の略でいわゆる運転免許センターのことである。

 

 

今回カリフォルニアの運転免許取得にあたりペーパー試験を受けに行った。

 

 

ついてそうそう列に並ぶ。皆ついてまず列に並び、免許証記載事項などを記入する書類を受け取る。そして書けたらまた列に並び、その書類と他の書類を出すという寸法だ。

 

しばらく並んでいると僕の番となった。

 

 

係の人「はい、この書類を書いて」

 

 

僕「実はもう書いてきました、ここに。」

 

そう、できる男はあらかじめ出来ることをやっておくものなのだ。

 

 

係の人「あ、そう。どれどれ…」

 

 

係の人「はい、これ署名の日付。昨日の日付だからやり直し。」

 

 

僕「・・・。」

 

 

気を取り直して再度書類を埋め、再度列に並ぶ。

 

 

僕「書いてきました。」

 

 

係の人「はい、じゃあカリフォルニアに住んでいるっていう証明の書類出して。」

 

 

僕「こちらです。(会社発行の雇用に関する書類と保険の書類)」

 

 

係の人「んーダメね!!このどこだかわからない会社の発行している書類じゃあダメ!証明にならない!別のもの持ってきて!」

 

 

僕「ご婦人。ご存じないですか?この会社は売り上げ3兆円規模のグローバル企業で信用足りえr」

 

 

係の人「はい、次の人!!」

 

 

僕「・・・DMV(どうかしてるぜ、まったく。Volcano)」

 

 

無念なり…。

 

 

仕方なく一度帰宅し、アパートの管理会社から契約書類のコピーをもらい、再度DMVDepartment of Motor Vehicles)へ。

 

 

また列に並び、係の人に書類を渡す。今度はオッケーが出て、次のゾーンへ。

 

次のゾーンでは再度書類を渡し、目の検査やら受験料の支払いなどを行う。

 

僕「お願いします。」

 

 

係の人「書類確認します。んーーー、ダメね!」

 

 

僕「!?」

 

 

係の人「この契約書、電子契約書でサインがない。無効よ。」

 

 

僕「いやいや、さっきの係の人オッケー言ってましたよ?」

 

 

係の人「ダメ。他の書類出して」

 

なんとなくこうなる予感がして、ありとあらゆる家に関する書類を持ってきて、そのうちひとつがたまたまヒットし、なんとかここをパスする。

 

僕「マジDMV(どうなるかと思ったー、マジで。Vegetable)」

 

 

最終ゾーンは写真撮影と試験。この最終ゾーンまで少し時間があるので最後の勉強などができる。

 

 

今は便利な世の中で、教材などもスマフォのアプリひとつで見れてしまうので皆スマフォで最後の追い込みをしている。

 

 

僕も負けじとアプリを起動。

 

 

ポケモンGOである。

 

 

もう、なんというか抑えられなかった。書類のいざこざがあって早く落ち着きたかった。ゆえにポケモンGO

 

 

~数分後~

 

予想以上にポッポの捕獲にてこずり、僕だけ最後の追い込みがスーパーボールを使ってのポッポ捕獲という、何とも言えない状態で順番が来たので試験を受ける部屋に入室した。

 

 

ここでは写真を撮ったのちに、部屋のあちこちにパソコンがあるので好きなパソコンで試験を受け、その場で結果が出るので合格したら晴れて仮免取得的な状態となる。

 

 

大方の予想通り半目の状態の写真を無事撮影し、いざパソコンへ。

 

 

まず言語選択画面に入る。英語、スペイン語、中国語、日本語、フランス語、ドイツ語などなど。さすがに外国人が多いカリフォルニアだけあって、言語の選択肢が多い。試験問題も各国の言語で受けられ、公式の教材も各国版が用意されている。

 

 

アメリカ生まれで、幼少期10年をアメリカで過ごし、その後日本にわたるも、中学高校ではレベルの高い英語教育に揉まれ、大学では授業全てが英語オンリーでしかも一年間イギリスにも留学し、会社も海外営業として入社し、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど英語圏を主に担当し、その後アメリカに駐在となった僕は当然日本語を選択した。

 

 

パソコン「それではテストを開始します。」

 

パソコン「と、その前にあなたはアメリカ国民で有権者ですね?」

 

僕「(あー、そういえばなんか書類になんか選挙関連の事書かされた気がする)はい。」

 

パソコン「それでは以下の質問に対して回答してください。」

 

 

どうやら運転免許の登録情報と選挙がリンクしてるみたいで、ここからやれどこの政党を支持しているとか、やれ投票の形式どうしますかとかやいのやいの聞かれる。

 

パソコン「ありがとうございます。選挙関連の質問は以上です。ここからは試験に移ります。」

 

パソコン「Please Choose the language from below;

 

     English

 

     Español               」 

 

 

いやいやいやいやいやいやいやいや。お前急にどうした!何急に外国人ぶりやがって!さっきまで日本語であんな親身だったのにどうした!さっきまであんなに「へへへ、僕これだけ言語わかるんだ!すっごいでしょ、えっへん!」みたいな感じだったのになんで一気に外国語減った?

 

 

あれか、アメリカ国民だからか?アメリカ国民なら当然英語で勉強してますよね?みたいな。残念!こちとら日本語でしか勉強してませんから!しかもEspañolってなんすか。第二外国語のスペイン語の単位を落とした僕への嫌がらせか?もう、スペイン語でテストに出そうな単語で分かるのたぶん左と右くらいしか分からないですからね。

 

 

そんな感じで泣く泣く英語を選択。最初の数問知らない交通関係の単語が出てきて脇汗がすごいことになりましたが、なんとか試験をクリアして無事仮免取得しました。  

   

 

マジDMV(どうしようもないくらい、もうやりたくない。Vacation)

 

 

【食レポ】 山頭火 アーバイン店

どうも皆さん!ご存じのとおり神の舌を持ってるような気がしなくもないといわれていたらいいな~っていう僕なんですけれでも、まぁ、今だなおホテル暮らしを強いられている僕は自分で料理をすることができず、アメリカ人の作るグダグダな料理を食べざるを得ない状況なんですけどね。

 

 

もうちょっといい加減きつくなってきて。あーなんかもう普通に日本のもの食べたいなぁと思って。

 

 

で、自分の好きな食べ物なんだったかなーと思い返してみたらラーメンだったわけですよ。

 

 

いや、アメリカでラーメンは食べられないだろう…と思って検索してみたらね。出るっていうね。

 

しかも結構出るんですね。で、その中からなんか聞いたことがある山頭火アーバインにちょっと行ってみようとなったのでせっかくなので食レポします。

 

↓お店のURL

アーバイン店 | らーめん山頭火

 

 

まず皆様山頭火ってご存知ですか?僕はね、実は日本にいた時から知っていたんですよ。

 

恐らくラーメンに詳しくない方も聞いたことがあるのではないでしょうか?そう、なぜならセブンイレブンにカップめんが売っているからです。

 

 

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これです。

 

 

僕も何を隠そうこれでしか知らないです。実際のお店には行ったことありません。

 

 

北海道の旭川が本店らしいのですが、現在では国内で21店、海外でもアメリカをはじめカナダやシンガポールなど全部で32店あります。

 

え?海外店舗大過ぎ・・・?

 

 

豚骨スープがベースの「しおラーメン」がこのお店のベーシックなラーメンです。クリーミーで飲みやすいスープ。そのスープが程よくからみつくややちぢれた麺。そして食感や味の変化を楽しむため、きくらげや小梅が添えられたラーメンとなっていて、最後まで飽きない工夫がなされたラーメンです。(カップめんを食べた感想)

 

 

 

さて、前情報はこんな感じです。では果たしてアメリカの山頭火はどうなのでしょうか・・・?

 

 

 

ホテルから車で高速道路を走らせて30分。アジア系のお店を数多く抱えるヘリテイジプラザというショッピングモールに入ります。

 

 

全品1.5$!と書かれたDAISOを「うわっ、たっか・・・!」と思いながら横切り、日本の食品を扱うMITSUWAと言うお店に入店。

 

 

このお店のフードコート的なコーナーに店舗を構えているのです。

 

 

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お店はこんな感じ。(お店のHPから引用。実際は激混み)

 

3,4組が並んでいたのでその後ろに並び、列に並んでる間にガラスケースに入ったメニューに目を通します。

 

ラーメン各種が$10.99、チャーシューメン、大盛りはそれぞれプラス$1です。

 

その他ちいさな丼ものなどのサイドメニュー、セットメニューなどがいくつかあります。

 

僕はオーソドックスなしおラーメン(プラスチャーシュー)と、単品で鮭いくら丼を頼みました。

 

 

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おお、普通にラーメン。さてお味の方は・・・?

 

まずはスープを蓮華にとり、すすります。

 

・・・!なるほど、実にクリーミーで飲みやすいスープ。癖がなく、いつまでも飲んでいられるような優しい味がします。例えば、公園にある水飲み場からこのスープが出続けても飲んでいられると思います。

 

また、アメリカでは禁じ手とされるスープや麺をすするという行為ですが、ここはラーメン屋。大胆にすすることで日本ではまた味わえない背徳感という名のスパイスが加わり、この優しいスープに独特の深みを与えてくれます。

 

そしてこのスープを程よくからめとってくれる麺。スープ同様にするすると口に、そしておなかに入っていきます。

 

これだけするすると入っていくと飽きるのでは?と思われるかもしれませんが、途中きくらげで食感を変えて楽しむことが出来ますし、小梅で一瞬味の切り替えを行い、再度麺とスープを新たな気持ちで迎えることが出来ます。

 

また、鮭いくら丼ですが、しゃけの塩っけ、いくらのうまみの爆弾、ご飯の暖かさがそれぞれ違った特徴を持つにも関わらずケンカせずうまく調合し、カリフォルニアにいながらまさかの北海道を感じることが出来ました。(横にROYCEのお店があったからではないと思います。)

 

 

【総評】

★★★☆☆

普通に美味しかったです。カリフォルニアで食べられると考えれば及第点。日本で食べたら「うーん…気が向いたらまた行ってもいいかな…?」くらい。良くも悪くもセブンイレブンのカップめんとの違いがあまり感じられなかった。というか逆にそこまで再現できている日清さんに脱帽。

 

 

色々と出歩くついでにどんどんとラーメン屋開拓していきます。

「マイケルVS.アレクサンダー」

海外の方からするとですね、どうも日本の名前って基本的に発音しにくいみたいで。

 

 

駐在員って結構な割合で欧米の名前のニックネームをつけるみたいなんですね。

 

 

だいたいは自分の名前に少し似た名前をつけるっていうパターンが多いみたいなんですけど、(例えばオサムならSAMとかね)僕はちょっと違う方法で行こうと思いまして、最終的に「マイケル」か「アレクサンダー」のどちらかまで絞り込みました。

 

ちなみにマイケルは僕のいにしえからの愛されニックネームで、アレクサンダーは皆に忘れ去られている僕の実のミドルネームなのです。

 

いや、実際すごい悩みましてね。マイケルならずっと呼ばれ続けているのですぐさま反応できるのに対し、アレクサンダーはなんといっても本名ですからね。

 

で、迷った末に会社の同期のラインにこの議題をふと投げかけましてね。もう同期に決めてもらおうと思いまして。一石を投じたわけですよ。新たなきのこ・たけのこ戦争ですな。

 

もう、これで同期同士がヒートアップして争い始めて「やめてーーー!私のために争わないでーーー!!」ってなるかなー?って思ったんですよ。

 

 

 

そしたらまさかの全員マイケルを推すというね。たけのこの里圧勝ですわ。

 

 

だからもう「マイケルで行きます」つって名刺とかにも入れちゃいまして一応マイケルで通しました。

 

 

そんなこんなである日、全米にちらばっている営業とこっちの本社側とで全米の電話会議があったんですけど、それで僕も出席したんですよ。

 

あんなこんとやこんなことを話し合っていたんです。まぁ、これは内容が言えないので「きのこの山はチョコが手につかない」とか「たけのこの里はクッキー部分がうまい」とかまぁ、そんな感じで意見交換が行われていたと思っておいてください。

 

 

そんな感じで熱い議論が繰り広げていたら、司会の人が思い出したように「そういえば今回から日本から来たマイケルに会議に加わってもらうからよろしく」と言うもんだから僕も「あ、マイケルです。よろしくお願いします」ってあいさつしたんですよ。

 

 

さぁ、あとは聞きに徹するだけかな・・・?って思ってたらある人から「彼はなぜマイケルなんだ?」という質問が飛び出したのです。

 

 うわ、説明するのめんどくさい。と思って「いやー、話すと長いので!やっぱり僕はたけのこの里の食感g…」

 

「いや、マジで。なんで?」

 

再度質問される。どんだけ興味津々なんだ。

 

すると、会議室が静まった。

 

 

え、これマジで説明せなあかんやつやん・・・。

 

 

僕も観念してこう口を開いた…。

 

 

「Weii, it's a nickname from my schooldays. When I first introduced my self to my classmates, I told them my middle name is Alexander, which it really is. I thought they will remember my name by saying that. Then after the self introduction part, one of my classmates tried to call my name but he was like "Wait what was his name? I do remember he had an American name....." "MICHAEL???" That's how I became Michael.」

 

 

 会議室が爆笑の渦に包まれましたわ。全米を笑わせました。みんな口々に「いや~それはマイケルだわ笑」とか「そうだな、お前はマイケルだ!笑」と笑いながら肯定し、僕も初めて英語のすべらない話を成功させホクホクしていたのですが、その時皆の笑い声の中にひとつ不穏なセリフを聞き取ってしまったのです。

 

「お前はマイケルじゃない」と。

 

 

初めてですよ、僕のリスニング能力の高さが仇となったのは。

 

 

え、いや、なんで?どいつが言ったんだ・・・?僕が静かに会議室を見まわすとすぐにわかりました。一人だけ笑っていない人がいたのです。その人と目があい再び言われました。

 

 

「お前はマイケルじゃない」

 

 

っていうか、お前普段席隣やんけ!!そんなことを思いながら普段一緒に仕事してたんか!!

 

 

僕は静かに聞きました。

 

 

「なぜ僕はマイケルじゃないんだい?」と。

 

 

すると、「いや、すまない。君の話を聞いてなぜマイケルなのかというストーリーは分かったのだが、君はマイケルという顔をしていない。アレクサンダーならまだ分かる。でも私の中では君はどうしてもマイケルではないのだ。すまない。」

 

まさかきのこの山派がまだ潜んでいたとは・・・。

 

というか!普段は逆のことを言われるのに!!

 

なんせ僕マイケルと呼ばれた回数は多分5万回くらいあると思うんですけど、アレクサンダーって呼ばれたことたぶん30回もないと思うんですよね。

 

 

まぁ、そうやって言われるものだから僕も仕方ないので「分かった。いつかマイケルと呼んでもらえる時が来ることを願うよ」とだけ言い、また会議に戻りました。

 

 

あの会議から一週間ほど経ちましたが未だ彼からマイケルと呼ばれません。

 

僕は知っています。誰かが「マイケルがうんぬんかんぬん」とか僕の話をしていると「奴はマイケルじゃない」と彼がぼそっと言っているのを。(念のため言っておきますけど、僕と彼の関係はこの件以外はすこぶる良好です。)

 

 

やらなきゃいけないことが多いのにまた一つ「きのこの山派の撲滅」という新たな駐在の目標ができてしまいました。 

 

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「休日とあと初心を忘れないという話」

なんとまぁ、早いものでこちらに来てから10日が経ちました。

 

 

 

 

この間何って淡々と仕事してました。

 

 

 

  

淡々とし過ぎていて、なんかもう5年くらいアメリカで働いていたかな?くらいの溶け込みっぷりでして。

 

 

 

前の職場のことなんかもうすでに朧げで、多分同期の名前半分くらい言えないんじゃないかな?って(嘘だゾ★)

 

 

 

 

 

まぁ、平日はそんな感じで、土日はというと最初の土日ってもう時差ぼけ直すことに全力を注いでたもので何してたかって言うと、キャンペーンで無料で読めたジャンプの迷作野球漫画のMr.フルスイング(通称ミスフル)をひたすら読むというかなりなんとも言えない過ごし方をしていました。

 

 

 

 

なので、昨日の土曜日が実質初めての休日だったのです。

 

 

じゃあ何をしてたかって言うと、駐在員の皆様とそのご家族でBBQというこれまたアメリカンな過ごし方をしたのです。

 

 

これがまたすごい楽しくてですね、駐在員の皆様のお子さんとか来られてたんですよ。

 

 

 

一番年上の子で6歳くらいだったんですけど、僕自身周りに小さい子がいなくて最近では子供と関わりが無かったんです。

 

 

 

僕結構クラッシャーとかデストロイヤー的な一面が無くもないので、なんかの拍子で傷つけてしまうものが苦手で、こう子供とか、老人とか、iPhoneのガラスフィルムとかそういうのが苦手なんですよ。

 

 

 

あーお子さんの相手できるかな?大丈夫かな?って思ってたんです。

 

 

 

そしたら僕まさかの子守の天才という謎の才能を持ってたみたいで、もうお子さん達と遊びまくりで、僕自身もはしゃいでたんですよ。ボール遊びしたり、プールサイドで遊んだり、河童とは何かという説明をしたり。すごい楽しかったんですよ。

 

 

 

で、奥様方は奥様方で僕の最近のすべらない話の鉄板である「兵庫で働いていた時にボロ団地で4人暮らしをさせられていた話」と「ボート免許を取るときに湖に落ちた話」の二枚看板を中心に笑いを取りつつ、アメリカで幼少期を過ごした経験があったので、その経験からお子さん達はどのようにして過ごすべきなのかという熱い教育論をぶつけてアドバイスをした事で奥様方の心も鷲掴みにしましてね。

 

 

で、かくいう僕は奥様方のアヒージョやらお肉やらで温かみのあるお料理に舌鼓を打ち、お腹の方を満たしまして。

 

 

 

 

もう何というかみんながみんな幸せという素晴らしい休日を過ごしたのです。

 

 

 

 

 

 

もうすごい満足して、鼻歌歌いながらドライブして帰ってね。ホテルに戻って、ベッドにダイブして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、俺独身やねん!!!!!」と思わず叫びました。

 

 

 

いや、もうね。眩しい。多分カリフォルニアの日差しのせいじゃない。でも眩しい。

 

 

 

美味しいお料理作ってくれる綺麗な奥さん俺かて欲しいわ!!

 

 

目に入れても痛くないような可愛い子供俺かて欲しいわ!!

 

 

 

 

でね、僕思い出したんですよ。駐在の目的を。

 

 

シェアを上げてくるとか、利益率を良くするだとかじゃあない。

 

 

ミーシャバートンみたいな奥さんを見つけてくる事だってね、思い出しました。

 

 

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↑全盛期のミーシャバートンさん。

 

 

なので5時間ほど寝て朝から早速ニューポートビーチ行ってきます。

 

 

運命的な出会いをしてくるので皆さん期待しておいてください。